そのファイナルバージョンはわずか150台限定。FD発売後も販売されていた限定車|1992年式 マツダ サバンナ RX-7 カブリオレ ファイナルバージョン Vol.3|THE限定車

風の巻き込みを抑えるエアロボードの効果は抜群で、走行中であれば多少の雨も気にならないほどだという。秀逸なアイテムだ。

       
【1992年式 マツダ RX-7 カブリオレ ファイナルバージョン Vol.3】

Vol.2から続く

 FCは1991年10月に3代目のFDにバトンを渡すが、カブリオレは継続販売された。そして、FCシリーズ最後の限定車として1992年8月に発表されたのが、このファイナルバージョンだ。特別な装備については各写真のキャプションに譲るが、ピュアスポーツの精悍さにエレガントさを融合したスタイルは、この限定車の特権。それもあって、「トップだけでもこのカラーにしたい」というカブリオレファンが後を絶たないそうだ。

電子制御ウエストゲートバルブや完全独立ツインスクロールなど、後期型の新技術など【写真6枚】

 FCの限定車で真っ先に思い浮かぶのは、Ⅰ〜Ⅳまでリリースされたアンフィニだろう。だが、希少性ではファイナルバージョンが上で、限定台数はわずか150台。さらに、実際はその数まで造られていないという話もある。いずれにせよ14年間にわたるFCシリーズのフィナーレを飾った限定車は、高い希少性と気品あるたたずまいで、所有欲を満たしてくれることは間違いない。

“たまたま”だったファイナルバージョンとの出合い


藤田文男さん/OWNER’S VOICE

 藤田文男さんとこのクルマの出合いは15年以上前。友人のカプチーノに乗って、オープンカーの魅力に引き込まれたことがきっかけ。「いつかはスポーツカーを所有したい」と思っていたことに加え、自宅に車庫ができたことが重なり、オープンカー所有欲は一気に高まった。

「FCカブリオレは当時からトップのデザインと性能が好きだった」という。憧れのFCカブリオレを探し始めた藤田さんだが、なかなか好みの中古車に出合えない。やっと巡り合ったのがこの個体で、限定車だったのは「たまたま」だったそうだ。

 購入時3万5000kmの走行距離は12万kmを超えた。しかし、トラブルはなく、エンジンもO/Hしていない。その秘訣を聞くと、「特別なことは何も。オイル交換したり、行きつけのノスタルジアさんでメンテしてるだけ」という。当たり前のことを変わらず続ける愛情が、状態のよさを維持しているのだ。


Specifications 主要諸元
1992年式 マツダ RX-7 カブリオレ ファイナルバージョン(FC3C)
全長×全幅×全高(mm) 4335×1690×1270
ホイールベース(mm) 2430
トレッド前/後(mm) 1450/1440
車両重量(kg) 1390
エンジン型式 13B型
エンジン種類 水冷2ローター・ロータリーターボ
総排気量(cc) 654×2
圧縮比 9.0:1
最高出力(ps/rpm) 205/6500
最大トルク(kg-m/rpm) 27.5/3500
燃料タンク(L) 70
変速比 1速 3.483/2速 2.015/3速 1.391/4速 1.000/5速 0.806/後退 3.288
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前 / 後 ストラット / マルチリンク
ブレーキ前後 ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205/60R15(前後とも)
発売当時価格 370.0万円


初出:ハチマルヒーロー 2013年5月号 Vol.021(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1992年式 マツダ サバンナ RX-7 カブリオレ ファイナルバージョン

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII/藤井元輔

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