英国のRACラリーをともに戦ったランタボの思い出とともに|1987年式 三菱 ランサー EX 1800 GSR Vol.3|ハチマルモータースポーツ

ボクシーなランサーEXのフォルムに、黒地に赤のマーキングが入るアドバンカラーは本当によく似合う。

       
【1987年式 三菱 ランサー EX 1800 GSR Vol.3】

 そして、チームをサポートしていた横浜ゴム、KYB、PIAA、タスカ・エンジニアリングなどが、このクルマのためにパーツなどを提供してくれている。

 足回りはKYBのラリースペシャルで、これは現在でも新品のキットが販売されている。横浜ゴムはラリータイヤを用意してくれた。さすがに当時のラリータイヤは現存していないが、現在の主力タイヤをサポート。そして、タスカには当時のドグミッションが残っていたため、それを提供。ミッションは、純正から当時でも貴重だったドグに換装されている。

 手を焼いたのがエンジン本体だった。本来は1.8LのG62B型エンジンなのだが、前オーナーが海外向けランタボ用の2L、G63B型に載せ替えていた。このためリアシートを取り外して2名乗車化すると同時に、構造変更を受けて、新たなナンバーを取得している。

「ランタボは、実は日本のラリーよりも英国のRACラリーの思い出の方が強いね。日本ではドライバーとして活躍していた日下部保夫をナビとして隣に乗せて、3年続けて参戦した。でも、とても難しい路面で完走できなくて。3年目に、ようやく日本人として初めてリザルトを残せた。順位は芳しくはなかったけどね。ようやく完走できて、山の上から見えた景色がもの凄く印象的だった。そのラリーを一緒に戦ったのがこのクルマだったんだ」

 当時としては圧倒的だったパワーと軽量ボディが生み出すハンドリングの良さは、今でも全く色褪せていない。

海外向けランサーEXターボなどに搭載された、2LのG63B型に換装されたエンジンなど【写真7枚】



1987年式 三菱ランサーEX 1800 GSR ターボインタークーラー(A175A)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4225×1620×1385
ホイールベース(mm) 2440
トレッド前/後(mm) 1365/1340
車両重量(kg) 1085
エンジン型式 G62B型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHCインタークーラー付ターボ
総排気量(cc) 1795
ボア×ストローク(mm) 80.6×88.0
圧縮比 7.5:1
最高出力(ps/rpm) 160/5800
最大トルク(kg-m/rpm) 22.0/3500
変速比 1速3.740/2速2.136/3速1.360/
4速1.000/5速0.856/後退3.578
最終減速比 3.909
ステアリング形式 ボールナット(パワーステアリング)
サスペンション 前マクファーソン・ストラット/
後4リンク(アシストリンク付)
ブレーキ 前後ともベンチレーテッドディスク
タイヤ 195/60R14(前後とも)
発売当時価格 165.4万円


初出:ハチマルヒーロー 2013年2月号 Vol.020(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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photo : TAKESHI SAKUMA/佐久間 健 text : HIROYUKI TAKUSAGAWA/田草川弘之

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