幻の狭角4バルブヘッド151E搭載TE27でヒストリックラリー参戦を目論む|1973年式 トヨタ カローラ レビン Vol.1|当時モノ&チューンにこだわる「ワークス魂の継承」

グリルセンターにはカローラのエンブレム。

       
【1973年式 トヨタ カローラ レビン Vol.1|ワークス魂の継承】

モータースポーツ界に大きな功績を残したキャロッセ先代社長の故・加勢裕二さん。
形見のTE27をベースに、ご本人が作りたがっていた仕様を製作。
キャロッセワークスカーが積んでいた151E改2Lを搭載し、ヒストリックラリーへの参戦を計画。
軽量コンパクトで高回転型のレーシングエンジンとTE27ラリー仕様の組み合わせは、乗り手を選ぶ過激マシンとなった。



 トヨタのレースエンジンのなかでも、マニアの間で特に有名なのが、2T‐G型をベースにした「151E」という、1.6Lの4バルブエンジンだ。ただし、本来はワークスエンジンだったこともあり、数多く出回っていたわけではない。当時、これを使うことができたチームはワークスか準ワークス待遇のチームに限られていた。その後、ワークス活動期が終わった後、競技系のクルマに転用されていったのだ。

 そのなかの1基が渡ったのが「キャロッセ」。全日本ダートトライアルに出場していたTE71の、フロントミッドシップ仕様に搭載された。このエンジンは、ポテンシャルアップのために腰下を2L化した151E改だった。

 80年代のダートラを戦った151E改は、そこでの役目を終え、その後はキャロッセの工場に保管されていた。

 その頃のキャロッセは、創業者である故・加勢裕二さんが指揮を執っていた時代で、その加勢さんの愛車の1台が写真のTE27だった。ただし、このクルマは現オーナーの大嶋治夫さんが所有していたのを、恩人であった加勢さんにプレゼントしたもの。その後、2003年に加勢さんが他界し、形見分けで大嶋さんの元に戻ってきた。

AE86用を流用したブレーキや、ラリー用でストロークが長いキャロッセのワンオフ車高調など【写真10枚】

1973年式 トヨタ カローラ レビン(TE27)主要諸元
●エンジン:151E型2L仕様/マーレ製鍛造ピストン/H断面コンロッド/セリカLBターボ用クロモリ削り出しフルカウンタークランク/ドライサンプ
●吸気系:ウエーバー50DCO1S/P
●排気系:ワンオフチタンマフラー
●点火系:WAKO’Sフルトラ
●冷却系:アルミラジエーター
●駆動系:クロスレシオミッション/クスコ製LSD
●足回り:クスコワンオサスキット
●ブレーキ:AE86用
●ホイール:RSワタナベ13×5.5J
●タイヤ:185/70R13
●インテリア:プロドライブ製ステアリング/電動パワステ/JECOラリークオーツ/haldaツインマスター

初出:Nostalgic SPEED 2015年07月 Vol.007 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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text : MASAYUKI FUKADA/深田昌之 photo : RYOTA SATO/佐藤亮太

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