手の届かない憧れのクルマ。その際だつ存在感|読者が選ぶ国産旧車人気ランキング2014【2位】1967年式 トヨタ 2000 GT Vol.3

テレスコピック機構を持つウッドステアリングの奥に並ぶ7連メーター。左から燃料計、油圧計、油温計、水温計、電流計、タコメーター、スピードメーターの順。

       
【1967年式 トヨタ 2000 GT Vol.3】<

2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 2位 トヨタ 2000 GT

 ボディの下にはX型シャシーが組まれ、その前方にはトヨタ3M型エンジンと5速MTが搭載されていた。トヨタ2000GTのために専用開発されたパワーユニットは、クラウン用M型水冷直列6気筒SOHCエンジンをベースに、トヨタのパートナーであるヤマハがDOHC化を手がけた。国産車で初めての2Lストレート6DOHCは、最高出力150ps、最大トルク18kg‐mの高性能を発揮した。



 そしてトヨタ2000GTを語るうえで欠かせないエピソードが、1966年10月に行われたスピードトライアルだ。茨城県谷田部町(当時)にあった自動車高速試験場のテストコースで、78時間に及ぶハイスピード走行を敢行。3つの世界速度記録と13の国際速度記録を樹立し、その実力を、世界にアピールした。発売は1967年5月だった。

 手の届かない憧れのクルマ……その際だつ存在感は、今なお変わらない。

トヨタとヤマハの技術協力によって生まれた、国産初の水冷直列6気筒DOHCなど【写真9枚】

機が熟し、改めて前期型を所有する。


本橋 茂さん/OWNER’S VOICE

 オーナーの本橋 茂さんにとって、今回の取材車両であるトヨタ2000 GTは、2台目となる前期型だ。前の個体は83年から8年間所有していたが、並行してクラシックカーレースにも興味を持ち、輸入車で参戦。そちらに傾注するためにやむなく手放したという。
「レースをやめたわけではありませんが、いつかは2000 GTを買い直したいと思っていて、昨年購入しました」
 手元に残っていたパーツも生かしながら、今後は旧車イベントなどにも参加したいと考えているそうだ。

1967年式 トヨタ 2000 GT(MF10) 主要諸元 Specifications
●販売期間 1967年5月~1970年10月

●全長 4175mm
●全幅 1600mm
●全高 1160mm
●ホイールベース 2330mm
●トレッド前後とも 1300mm
●最低地上高 155mm
●室内長 720mm
●室内幅 1430mm
●室内高 950mm
●車両重量 1120kg
●乗車定員 2名
●最高速度 220km/h
●登坂能力 sinθ0.567
●最小回転半径 5.0m
●エンジン型式 3M型
●エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
●総排気量 1988cc
●ボア×ストローク 75.0×75.0mm
●圧縮比 8.4:1
●最高出力 150ps/6600rpm
●最大トルク 18.0kg-m/5000rpm
●燃料供給装置 ソレックス40PHH×3
●変速比 1速3.143/2速1.636/3速1.179/4速1.000/5速0.844/後退3.238
●最終減速比 4.375
●燃料タンク容量 60L
●ステアリング形式 ラック&ピニオン
●サスペンション 前後ともダブルウイッシュボーン・コイル独立懸架
●ブレーキ 前後ともディスク
●タイヤ 前後とも165HR15
●発売当時価格 238万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 トヨタ 2000 GT(全3記事)

2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング

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photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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