地球に優しいクルマというポリシーで作られた、車重580kgの本格派ライトウエイトスポーツ|読者が選ぶ国産旧車人気ランキング2014【4位】1967年式 トヨタスポーツ800 Vol.1

ルーフ部分は取り外し可能なタルガトップとなっている。

       
【1967年式 トヨタスポーツ800 Vol.1】

2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 4位 トヨタスポーツ800

 21世紀は地球に優しいクルマが求められている。この設計ポリシーを半世紀も前に具現化したのがトヨタスポーツ800だ。主査(開発リーダー)は、後に初代カローラの主査も務めたトヨタ自工の長谷川龍雄さん(故人)である。1950年代から構想を練り、「23A」や「パブリカ・スポーツ」などの試作車を経て、正式発売に移された。

 試作車のネーミングから分かるように、メカニズムの多くは空冷の水平対向2気筒エンジンを積むパブリカ700から借用している。1959年2月にパブリカの開発を命じられた長谷川さんは、61年からパブリカのメカニカルコンポーネンツを使った軽量コンパクト設計のスポーツカーの試作を開始した。研究用のクルマだったが、社内で評判がよかったので1962年秋の第9回全日本自動車ショウに参考出品している。これが脱着式のスライドルーフを装備したパブリカ・スポーツだ。

 その後、エアロダイナミクスを一段と磨き、軽量化も徹底した。アルミ材やプラスチックなどの樹脂を時代に先駆けて採用し、左右にドアを追加している。また、ルーフ部分を取り外し可能なタルガトップ(オープントップ)にし、爽快なオープンエア・モータリングも楽しめるようにした。

なでたくなるほどセクシーなリアビューなど【写真9枚】



Vol.2に続く

1967年式 トヨタスポーツ800(UP15)主要諸元
●販売期間 1965年4月~1969年10月

●全長 3580mm
●全幅 1465mm
●全高 1175mm
●ホイールベース 2000mm
●トレッド 前1203/後1160mm
●最低地上高 175mm
●室内長 785mm
●室内幅 1250mm
●室内高 965mm
●車両重量 580kg
●乗車定員 2名
●最高速度 155km/h
●登坂能力 sinθ0.464
●最小回転半径 4.3m
●エンジン型式 2U型
●エンジン種類 空冷水平対向2気筒OHV
●総排気量 790cc
●ボア×ストローク 83×73mm
●圧縮比 9.0:1
●最高出力 45ps/5400rpm
●最大トルク 6.8kg-m/3800rpm
●トランスミッション型式 前進4段後退1段オールシンクロメッシュ
●変速比 1速4.444/2速2.400/3速1.550/4速1.125/後退5.812
●最終減速比 3.300
●燃料タンク容量 30L
●ステアリング形式 ウオーム&セクターローラー式
●サスペンション 前/後トーションバー独立/非対称半楕円リーフスプリング
●ブレーキ 前後とも ドラム
●タイヤ 前後とも 6.00-12-4PR
●発売当時価格 59万2000円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 トヨタスポーツ800(全2記事)

2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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