ケンメリGT‐R。その車台番号に関する謎|読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 2014【6位】|1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.3

刻印し直された車体番号。

       
【1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.3】

読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 2014 6位

 今回紹介するケンメリGT‐Rは、まさにこの車台番号に関する謎が隠されている1台だ。福岡県筑後市在住のオーナー、井上五十八さんが手に入れたのは95年のこと。1オーナー車で実走2万4000kmというベストコンディションのケンメリGT‐Rだった。

 しかも、バルクヘッドの車台番号は「KPGC110‐000053」と刻印されているため、3番目の生産車となる。ところが、この車台番号はもともとは「000023」の刻印で、「2」に×印がつけられ、「5」を刻印し直されている。しかも、数字の上側には日産マークが刻印されているため、日産の工場で刻印し直されているのは間違いない。今となっては、その経緯も、何台再刻印されたのかも確認できない。



 そんな謎の53番のケンメリGT‐Rは、S&Sエンジニアリングでボディからエンジンまでフルレストア。現在の走行距離は3万4186kmという価値のある1台として大切にされている。

S&Sでレストアした際、櫻井さんとお食事しました

「小学校の時、4ドアのハコスカGT-Rが発売されて感激しました。その後、高校生の時にケンメリGT-Rが発表され、いつかはオーナーになりたいと思っていました。ほぼ20年後の95年に運良くベストコンディションの実走2万4000kmのワンオーナー車を手に入れることができました。99年から1年がかりでS&Sでフルレストアしてもらいました。その時、櫻井眞一郎さんと食事できたのは一生の思い出です」とオーナーの井上五十八さん。レストアの際、当時の部品で使えるパーツはそのまま残しているため、月日の経過を感じさせる仕上がりになっている。しかも、ドア内側のビニールまでも新車時のまま。このフルノーマルの状態で維持していこうと思っているそうだ。



OWNER’S VOICE/井上五十八さん

櫻井眞一郎さんが率いていたS&SエンジニアリングでオーバーホールされたS20型エンジンは好調など【写真7枚】


1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(KPGC110)主要諸元
●販売期間 1972年9月~1977年7月

●全長 4460mm
●全幅 1695mm
●全高 1380mm
●ホイールベース 2610mm
●トレッド前/後 1395/1375mm
●最低地上高 165mm
●室内長 1790mm
●室内幅 1340mm
●室内高 1125mm
●車両重量 1145kg
●乗車定員 5名
●登坂能力tanθ 0.46
●最小回転半径 5.2m
●エンジン型式 S20型
●エンジン種類水冷直列 6気筒DOHC
●総排気量 1989cc
●ボア×ストローク 82.0×62.8mm
●圧縮比 9.5:1
●最高出力 160ps/7000rpm
●最大トルク 18.0kg-m/5600rpm
●変速比 1速2.906/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.864/後退3.382
●最終減速比 4.444
●燃料タンク容量 55L
●ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
●サスペンション前/後 ストラット・コイル/セミトレーリングアーム・コイル
●ブレーキ 前後ともディスク
●タイヤ 前後とも175HR14
●発売当時価格 163万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全3記事)

2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング

photo : KIYOSHI NISHINO/西野キヨシ

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