「みんなを笑顔にしてくれるクルマ」1959年から生産が開始されたMPシリーズ|読者が選ぶ国産旧車人気ランキング2014【オート三輪部門 1位】1964年式 ダイハツ ミゼット Vol.2

「ミゼットは少し使われた感じがいいと思う。雨の日は乗らないけれど、普通に乗ってますよ」と會田さん。

       
【1964年式 ダイハツ ミゼット Vol.2】

読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 2014 オート三輪部門 1位 ミゼットMP

 DKシリーズからMPシリーズとなって丸型のステアリングを採用した。当初は対米輸出向けに企画されたMPAが始まりだ。日本国内向けはMP2と呼ばれ同年10月に投入。また、同年12月には排気量を305ccにアップしたMP3をリリースしている。MPシリーズの進化は留まることを知らず、荷箱を拡大したMP4を1960年5月に、キャビンの屋根をスチール化(これ以前幌)したMP5を62年9月に発売した。

 ミゼットは大型化したオート三輪とオートバイの間を埋める存在として、軽自動車免許で運転できることや維持費の安さ、好景気に後押しされて大ヒット。1958年に1万台弱、1959年に4万台弱、1960年に8万5000台以上と販売台数を伸ばし、日本中にミゼットが溢れ返った。ミゼットの成功を見たオート三輪の雄マツダも軽三輪試乗に参入し、K360/T600をリリースしたが、ミゼットの牙城は崩せなかった。国民の生活を支えたミゼットは、庶民のモータリゼーションの礎となった。

MPシリーズとなって採用された丸型のステアリングなど【写真9枚】

みんなを笑顔にする、大切な看板クルマ



OWNER’S VOICE/會田和弘さん

「どうしても一度は乗ってみたくて」とミゼットを購入した明快な理由を話してくれた會田和弘さん。そんな気持ちを抱きながらも「これだ!」と思える個体が見つからなかったが、半年ほど前に本誌でもお馴染みのビンテージカーヨシノでついに出会えたそうだ。

 會田さんは埼玉県川越市で自動車修理工場の「アイダボディ」を営んでいる。だから、ボディも機関もいつでも自分で直せてしまう。「ミゼットは少し使われた感じがいいと思う。雨の日は乗らないけれど、普通に乗ってますよ」と會田さん。また、最寄り駅へのお客さんの送迎にも活躍しているという。「このクルマで行くと、みなさん喜ぶよね。みんなを笑顔にしてくれるクルマなんだよ」と魅力を語った。

1964年式 ダイハツ ミゼット(MP5)主要諸元
●販売期間 1959年10月~1972年2月

●全長 2970mm
●全幅 1295mm
●全高 1455mm
●ホイールベース 1905mm
●トレッド後 1120mm
●最低地上高 140mm
●車両重量 415kg
●最大積載量 350kg
●乗車定員 2名
●最高速度 65km/h
●登坂能力 11°40
●最小回転半径 2.7m
●エンジン型式 ZD型
●エンジン種類 強制空冷2サイクル単気筒
●総排気量 305cc
●ボア×ストローク 72.0×75.0mm
●圧縮比 6.2:1
●最高出力 12ps/4500rpm
●最大トルク 2.4kg-m/2500rpm
●変速比 1速3.077/2速1.740/3速1.000/後退4.475
●最終減速比 6.571
●燃料タンク容量 15L
●ステアリング形式 ラック&ピニオン
●サスペンション前/後 テレスコピックオレオ/リーフリジッド
●ブレーキ後 内部拡張油圧式
●タイヤ前/後 5.00-9 4PR/5.00-9 6PR
●発売当時価格 23万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1964年式 ダイハツ ミゼット(全2記事)

2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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