庶民の夢を具現化した「てんとう虫」39万円|読者が選ぶ国産旧車人気ランキング2014【軽乗用車部門 1位】1967年式 スバル 360  Vol.1

開発地のコードネームは「K‐10」。

       
【1967年式 スバル 360  Vol.1 】

読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 2014 軽乗用車部門 1位

 戦後しばらくは、多くの人々にとって自家用車を持つことは夢のまた夢だった。当時の自動車といえば商用車が中心で、自家用車を持っている人は一握りしかいなかったのだ。しかし1955年に通商産業省(現:経済産業省)が「国民車構想」を提唱したことで、各自動車メーカーが新規車種の開発をスタート。富士重工業でも「4輪車計画懇談会」が開かれ、軽自動車の生産を公式のテーマとして検討。そして付けられたコードネームが「K‐10」だった。

 このK‐10の主な課題は、軽量化、生産性の良さ、大人4人が乗れる車内空間、快適な乗り心地の実現、軽量かつ高出力・高耐久性エンジンを開発すること。そこで、富士重工業の前身である中島飛行機時代に培われた航空機技術を生かしたモノコックボディや、当時の国産車には見られなかった4輪独立懸架方式のサスペンションなどの画期的な技術を採用。そして「スバル360」と命名され、1958年5月に登場したのである。

0.6mm厚のボディ鋼板や軽量リアウインドーを用いた軽量ボディなど【写真8枚】



Vol.2に続く

1967年式 スバル 360 スーパーデラックス・オーバートップ付き(K111)主要諸元
●販売期間 1958年5月~1970年5月

●全長 2996mm
●全幅 1300mm
●全高 1360mm
●ホイールベース 1800mm
●トレッド前/後 1140/1060mm
●最低地上高 170mm
●車両重量 415kg
●乗車定員 4名
●最高速度 105km/h
●登坂能力sinθ 0.30
●最小回転半径 4.0m
●エンジン型式 EK32型
●エンジン種類 強制空冷2サイクル直列2気筒
●総排気量 356cc
●ボア×ストローク 61.5×60.0mm
●圧縮比 6.5:1
●最高出力 20ps/5000rpm
●最大トルク 3.2kg-m/3000rpm
●変速比 1速3.130/2速1.601/3速1.000/OT 0.806/後退4.248
●燃料タンク容量 25L
●ステアリング形式 ラック&ピニオン
●サスペンション前/後 トレーリングアーム方式独立懸架/スイングアーム方式独立懸架
●ブレーキ前/後 2リーディング/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも 4.80-10 2PR
●発売当時価格 39万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 スバル 360(全2記事)

2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング

スバル360 記事一覧

Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

RECOMMENDED

RELATED

RANKING