総生産台数1176台、うち前期型は343台|読者が選ぶ国産旧車人気ランキング2014 【7位】|1968年式 マツダ コスモスポーツ Vol.2|2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング

総生産台数は1176台。そのうち、この車体と同様にホイールベースの短い前期型は343台。

       
【1968年式 マツダ コスモスポーツ Vol.2】

読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 2014  7位

 モーターショーでの発表から2年半後の1967年5月。コスモスポーツは満を持して発売された。L10Aの型式を持つコスモスポーツは、最高出力110psのREを搭載。まるで電気モーターのようなスムーズな回転フィーリングに、強く魅せられた人も多かった。

 1年2カ月後の1968年7月には、マイナーチェンジを敢行。型式がL10Bとなり、車体や機関などに手が加えられた。この後期型の最も大きな変更点はホイールベースの延長。前期型に対して150mm延ばされたことで走行安定性が向上した。フロントまわりでは、アンダーカバーの開口部を大きくすることで、エンジン房内への導風量をより多くしている。エンジンの最高出力は17 psアップの128psとなり、最大トルクも上がったことで、運転感覚の面でも進化。さらにトランスミッションが前期型の4速からオーバードライブレシオを持つ5速となり、高速走行でより真価を発揮できるようになった。

 総生産台数は1176台、うち前期型は343台という記録が残る。

前期型コスモにこだわり、部品取り車もしっかり確保



OWNER’S VOICE 橋本立夫さん

 「スタイルもいいけれど、排気音、ロータリーサウンドが気に入っています」と話す橋本さん。出た当時からコスモスポーツには憧れていて、いつかは乗りたいと思っていたそうだが、10年ほど前に雑誌の売買欄で見つけ、ようやく縁があって取材車両の前期型コスモスポーツを手に入れた。この初めてのRE車でその走行フィーリングにほれ込んでしまい、今では書類つきのレストアベース車を2台、書類なしの部品取り車を1台、集めてしまったという。

 エンジンルーム内をレストアし、すっかりきれいによみがえった。今後はボディ全体を直したいそうで、橋本さんの前期型コスモスポーツにかける情熱は、いっそう燃えさかりそうだ。

1968年式 マツダ コスモスポーツ(L10A)主要諸元
※取材車両の初度登録は1969年。
●販売期間 1967年5月~1972年

●全長 4140mm
●全幅 1595mm
●全高 1165mm
●ホイールベース 2200mm
●トレッド前/後 1250/1240mm
●最低地上高 125mm
●室内長 860mm
●室内幅 1300mm
●室内高 990mm
●車両重量 940kg
●乗車定員 2名
●0→400m加速 16.3秒
●最高速度 185km/h
●登坂能力sinθ 0.524
●最小回転半径 4.9m
●エンジン型式 10A型
●エンジン種類 水冷2ローター・ロータリー
●総排気量 491cc×2
●圧縮比 9.4:1
●最高出力 110ps/7000rpm
●最大トルク 13.3kg-m/3500rpm
●変速比 1速3.379/2速2.077/3速1.390/4速1.000/後退3.389
●最終減速比 4.111
●燃料タンク容量 57L
●ステアリング形式 ラック&ピニオン
●サスペンション前/後 ウイッシュボーンボールジョイント・コイル/ド・ディオンアクスル・リーフ
●ブレーキ前/後 ディスク/リーディング・トレーリング
●タイヤ前後とも 6.45-14-4PR
●発売当時価格 148万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)



千鳥格子のシート地とレザーのコンビシートは、前期型では写真の褐色ベースなど【写真10枚】


1968年式 マツダ コスモスポーツ (全2記事)


2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング

photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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