コンセプトカーを始祖に持つスペシャリティー|読者が選ぶ国産旧車人気ランキング2014【9位】|1976年式 トヨタ セリカリフトバック1600 ST Vol.1

さまざまな組み合わせが可能なフルチョイスシステムだが、SWパックでは木目調のクラスターパネル、ステアリング、シフトノブを採用。スポーティーな雰囲気のなかにも、高級感が表現される。

       
【1976年式 トヨタ セリカリフトバック1600 ST Vol.1】

読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 2014 9位

 初代セリカがデビューしたのは1970年のこと。1969年開催の第16回東京モーターショーで出品されたコンセプトカー「EX‐1」を母体に、「ラミナーフローライン」と呼ばれるジェット機の層流翼の形をモチーフにしたウエッジシェイプのスタイリングを採用。セダンやハードトップといったどのジャンルにも属さない「国産初のスペシャリティーカー」として、センセーショナルなデビューを飾った。また、トップグレードにはツインカムの2T‐G型エンジンを搭載し、当時の若者を大いに興奮させたものだ。

 そして、革新的だったのが「フルチョイス・システム」と呼ばれる販売形態。これは、1600GTを除いては特定のグレードを持たず、外装、内装、エンジン、多彩なオプションの組み合わせを自由に選べるシステムで、フォード・マスタングの成功にならったもの。これにより、ユーザーは自分だけの1台をオーダーできる優越感を味わうことができたのである。

 ただし、このフルチョイス・システムを導入したことで、従来の大量生産方式では対応しきれなくなる。そこで、ユーザーの注文を毎日受け付け、コンピューター管理で短いリードタイムで車両を届ける「デイリー・オーダー・エントリー・システム」を開発。新たな販売形態を取り入れるだけでなく、それを十二分に生かすための工夫も行われていたのだ。

中央にオーナー手製の「TOYOTA」エンブレムが付くGT用グリルなど【写真8枚】



Vol.2に続く

1976年式 トヨタ セリカリフトバック1600 ST(TA35)主要諸元
●販売期間 1973年4月~1977年7月
●全長 4240mm
●全幅 1620mm
●全高 1295mm
●ホイールベース 2495mm
●トレッド前/後 1335/1295mm
●最低地上高 160mm
●車両重量 990kg
●乗車定員 5名
●最高速度 160km/h
●登坂能力 tanθ0.69
●最小回転半径 5.0m
●エンジン型式 2T-U型
●エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
●総排気量 1588cc
●ボア×ストローク 85.0×70.0mm
●圧縮比 9.0:1
●最高出力 90ps/6000rpm
●最大トルク 13.0kg-m/3800rpm
●変速比 1速/3.587/2速2.022/3速1.384/4速1.000/後退0.861
●最終減速比 3.727
●燃料タンク容量 58L
●ステアリング形式 リサーキュレイティングボール式
●サスペンション前/後 ストラット式/4リンク式
●ブレーキ前/後 ディスク式/リーディングトレーリング式
●タイヤ前後とも 6.45-13
●発売当時価格 120万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1976年式 トヨタ セリカリフトバック1600 ST (全2記事)

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2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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