GT-Rの復活(R32) |プリンス時代から続く唯一の車名スカイライン Vol.4|ハコスカ、ケンメリへの憧憬

1993年にスカイラインは9代目になった。

       
【プリンス時代から続く唯一の車名スカイライン Vol.4 4回連続】

このR31スカイラインから開発主管になったのが、櫻井眞一郎さんの一番弟子と言われる伊藤修令さんである。伊藤さんはスカイラインのDNAをもう一度見つめ直し、1989年に登場する8代目スカイラインは、思い切って走り方向にクルマを仕上げていった。これが今なお名車として語り継がれているR32スカイラインだ。

 4輪にマルチリンクサスペンションを採用した8代目のフラッグシップとして企画され、送り出されたのが2.6Lのツインターボを積み、電子制御トルクスプリット4WDを採用した新世代のGT‐Rである。1993年にスカイラインは9代目になった。このR33スカイラインからは小型車枠を超えたワイドボディを採用し、エンジンも2.5Lの直列6気筒が主役の座に就く。

 10代目のR34スカイラインはR32の延長線上にあるスカイラインだ。GT‐Rを含め、直列6気筒スカイラインの完成形と評された。GT‐Rはゲトラグ社製の6速MTを採用している。

 2001年の夏、伝統の直列6気筒エンジンと決別した21世紀のスカイラインがベールを脱いだ。V35スカイラインが積むのはV型6気筒で、ハンドリングなどの味付けも大人っぽくなっている。2006年にモデルチェンジして12代目のV36スカイラインが登場した。そして2013年秋、V6エンジンにモーターを組み合わせた13代目のV37スカイラインが誕生。新たなスカイライン伝説の一歩を踏み出している。





1989年式 スカイライン2ドアスポーツクーペ GTS-t(HCR32)

「1990年代までに技術の世界一を目指す」という、いわゆる901活動(プロジェクト)から開発された8代目スカイライン。



1989年式 スカイラインGT-R(BNR32)

ケンメリ以来16年ぶりとなるGT-R。最新デバイスを搭載し、出力は規制いっぱいの280ps。国内レースでは無敵の強さで、4万台というGT-Rとしては桁違いの販売を記録した。


RB26DETT型エンジン

レースに勝つために最も有利な2.6Lとした直列6気筒ツインターボエンジン。多連スロットルを搭載している。R32、R33、R34に搭載された。




1993年式 スカイライン2ドアクーペ GTS25t タイプM (ECR33)

走りに特化しすぎたR32の反省をこめて、内部寸法を広げて、ボディサイズを大型化し、快適になった9代目。


1995年式 スカイライン GT-R (BCNR33)

GT-Rとしては4代目となるR33。プロモーションなども積極的で、発売当初から特別仕様を設定。特別仕様ながらもハコスカ以来の4ドアGT-Rも設定されたモデル。


1998年式 スカイライン 25GT-Xターボ(ER34)

ホイールベースを短縮し、搭載するエンジンを全てのグレードで直列6気筒DOHCエンジン搭載とした10代目スカイライン。




1999年式 スカイライン GT-R Vスペック(BNR34)

R35がGT-Rとなり、スカイラインGT-Rとしては最後となったR34。走り重視のVスペックと質感重視のMスペックを設定。GT500シリーズに参戦し好成績をおさめた。





2001年式 スカイライン 300GT(V35)

スカイライン伝統の直列エンジンからV型6気筒エンジンとなった11代目スカイライン。このモデルよりGT-Rが車種として独立。北米ではインフィニティブランドで販売されたモデル。



2006年式 スカイライン 350GT タイプSP(V36)

北米市場を意識し開発された12代目スカイライン。V35と同じくセダンとクーペをラインナップ。2.5、3.5、3.7Lの3種類のエンジンが用意された。





VQ30DD型エンジン

日産初の直噴エンジンとしてY33レパードやY34セドリックに搭載。その後パワーアップされV35に採用された。




2013年式 スカイライン 350GT HYBRIDタイプSP(V37)

1モーター2クラッチ方式のハイブリッドシステム搭載となった13代目スカイライン。日本以外ではインフィニティQ50として販売される。

901活動(プロジェクト)から開発された8代目スカイラインなど【写真11枚】

プリンス時代から続く唯一の車名スカイライン (全4記事)

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年2月号 Vol.161(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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text: HIDEAKI KATAOKA/片岡英明

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