ハコスカからケンメリへ |プリンス時代から続く唯一の車名スカイライン Vol.2|ハコスカ、ケンメリへの憧憬

3代目のC10からの正式車名は「ニッサン・スカイライン」だ。

       
【プリンス時代から続く唯一の車名スカイライン Vol.2 4回連続】

 1968年7月に発表された3代目のC10からの正式車名は「ニッサン・スカイライン」だ。3代目のキャッチフレーズは「愛のスカイライン」だが、ファンは「ハコスカ」と呼ぶようになる。まず直列4気筒SOHCの1500が登場した。9月にはロングノーズにL20型直列6気筒SOHCエンジンの2000GTを追加している。サスペンションはストラットとセミトレーリングアームの4輪独立懸架だ。

 そして1969年2月、真打ちとも言えるスカイラインGT‐Rを送り出す。エンジンはGR8型の血を引くS20型直列6気筒DOHC4バルブを搭載した。最高速度は200km/h、ゼロヨン加速は5名乗車で16.1秒の俊足だ。このGT‐Rはレースでも連戦連勝を飾り、新たな神話を築いている。1970年10月には2ドアHTを仲間に加えた。

 4代目は「ケンとメリー」のスカイラインの愛称で知られている。今につながる丸形テールランプを採用したのが、このC110だ。1973年1月に2代目のGT‐Rも登場したが、これは短命に終わっている。4代目は排ガス対策やオイルショックなどに見舞われ、苦戦した。が、優れたファッション感覚と広告戦略を武器に、空前のヒット作へとのし上がっている。







1968年式 スカイライン1500デラックス(C10)

スカイライン神話の始まりとなる最初のグレードは、ファミリーセダンとして登場。




1968年式 スカイライン2000 GT(GC10)

L20型エンジンを搭載し、パワフルセダンとして人気となった2000GT。その後GT-Xが追加される。




1969年式 スカイライン2000 GT-R(PGC10)

ハコスカをスポーティーなイメージへと昇華させた立役者であるGT-R。最初は4ドアのみが登場した。





1970年式 スカイライン HT2000 GT-R(KPGC10)

ホイールベースを短縮した2ドアハードトップバージョンのハコスカGT-R。国内レースで49連勝などの伝説を作る。





S20型エンジン
R380に搭載されたGR8型の流れをくむ、直列6気筒DOHCの1989ccエンジン。ハコスカ伝説の一端を担うエンジンだ。




1972年式 スカイライン2000 GT(GC110)

ハコスカで採用したサーフィンラインを踏襲しつつも、シャープなデザインとした4代目スカイライン「ケンメリ」。




1972年式 スカイライン2000 GT-X(KGC110)

豪華な内装に、強力なL20型エンジンを搭載し、走りと快適さを両立させた名車。




1973年式 スカイライン2000 GT-R(KPGC110)

排ガス規制の影響で、わずか197台しか生産されなかったといわれているGT-R。4輪ディスクブレーキなどを装備したクルマだ。


スカイライン神話の始まりとなる最初のグレードなど【写真8枚】

プリンス時代から続く唯一の車名スカイライン (全4記事)

Vol.3、Vol.4に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年2月号 Vol.161(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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text: HIDEAKI KATAOKA/片岡英明

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