「オリジナルの状態で残っているのがとても少ないことも知っていました。ひと目惚れでしたね」 |1976年式 日産 スカイライン HT 2000 GTX-E Vol.3|ハコスカ、ケンメリへの憧憬 

1975年10月のマイナーチェンジで、フロントグリルをはじめとする一部のデザインが変更された。20年記念車も、マイナー後の仕様で発売された。

       
【1976年式 日産 スカイライン HT 2000 GTX-E スカイライン誕生20年記念車 Vol.3】

 オーナーの奥山清和さんとスカイラインとの出合いも偶然だった。奥山さんは国産旧車の愛好家で、実際にいろいろな車種を数多く所有。大きなガレージを建てて、内部の空調にも気をつかいながら大切に保管している。たまたま関東方面で売りに出ていた別の輸入車を見に行った時に、群馬県前橋市にある旧車ショップ「オートサークル」に寄ることをふと思いついた。

「近くまで行ったので寄ってみようという、軽い気持ちで訪ねました。その時にこのゴールドのケンメリが置いてあったわけです。クルマ全体の状態がとてもよくて、オリジナルの状態で残っているのがとても少ないことも知っていました。ひと目惚れでしたね」

 と奥山さん。希少な個体であることと共に、試乗してみて何より気に入ったのが、インジェクション化されたL20型エンジンのフィーリング。奥山さんは他にもキャブ仕様のL20型搭載車を所有しているが、トルク感あふれるなめらかな走りは絶品だったとか。

「走り慣れたワインディングロードも攻めてみましたが、それは楽しかったですね。将来、手元に残していくクルマの中の1台となると思います」
 その姿はいつまでも健在のはずだ。

ニッサンEGI(電子制御燃料噴射装置)を組み込んだL20型エンジンなど【写真7枚】

1976年式 日産 スカイライン HT 2000 GTX-E(C-GC111)
SPECIFICATION 主要諸元
●全長 4460mm
●全幅 1625mm
●全高 1385mm
●ホイールベース 2610mm
●トレッド前/後 1370/1350mm
●最低地上高 165mm
●室内長 1790mm
●室内幅 1340mm
●室内高 1125mm
●車両重量 1210kg
●乗車定員 5名
●最高速度 180km/h
●登坂能力 tanθ0.45
●最小回転半径 5.2m
●エンジン型式 L20E型
●エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
●総排気量 1998cc
●ボア×ストローク 78×69.7mm
●圧縮比 8.6:1
●最高出力 130ps/6000rpm
●最大トルク 17.0kg-m/4400rpm
●トランスミッション型式 前進5段後退1段フルシンクロ
●変速比 1速3.321/2速2.077/3速1.308/4速1.000/5速0.864/後退3.382
●最終減速比 4.111
●燃料タンク容量 60L
●ステアリング形式 リサーキュレーティングボール(バリアブル)
●サスペンション前/後 ストラット式独立懸架/セミトレーリングアーム式独立懸架
●ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング式
●タイヤ前後とも 6.45S-14-4PR
●発売当時価格 150万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年2月号 Vol.161(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1976年式 日産 スカイライン HT 2000 GTX-E (全3記事)

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photo: HIROTAKA MINAI/南井浩孝

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