「整備など難しいことは分からないけれど、運転するのは大好き」|1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R  Vol.3|ハコスカ、ケンメリへの憧憬

ハコスカのエクステリアデザインの特徴であり、魅力となっているのが、均整のとれたサイドビュー。フロントセクション、ルーフ、リアセクションの比率が絶妙だ。

       
【1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R  Vol.3】

 彼女がクルマやバイクに乗り始めたのには、あるきっかけがあった。それは以前勤めていた会社の先輩の姿。美人でスタイルがいいその女性が、ある日、衝撃の行動を見せたという。

「その人はルパンの恋人、峰不二子みたいな、ミニスカートがよく似合う素敵な女性でした。ある日、真っ赤なフィアットX1/9に乗ってきたんです。そしてミニスカートのまま、同僚のバイクのカワサキZ2にも乗ってね。その姿がカッコよくて鳥肌が立ちました」

 それまで、スポーツカーやバイクは男性の乗り物だと思い込み、自分が持つことに抵抗があったそうだが、先輩の姿を見て、すべてが吹っ切れたとか。それをきっかけに好きなクルマを買って乗ろうと一念発起。毎日残業をして一所懸命働いて貯金を増やし、数年後、ついに中古車のポルシェ944を手に入れた。購入時に赤にオールペイント。この赤いポルシェが、彼女が幸せを呼び込むきっかけとなった。



 その後、赤のハコスカGT‐Rを11年前に購入。個人所有のワンオーナー車で、現在までオリジナルの状態を保ちながら維持してきた。
「整備など難しいことは分からないけれど、運転するのは大好き。重いステアリングとクラッチは大変ですけど、気合を入れて集中してドライブするのは、ストレス解消になりますね」

 ハコスカの後、なぜか赤いクルマとの縁が途切れず、赤いポルシェ911カレラ2、赤いスズキツイン、そして赤いCBR400Fを所有する。
「赤いクルマは、私のラッキーアイテムですね」と彼女。さて、次の赤いクルマは、何にしますか? 

購入時はφ44mmのソレックスに交換されていたが、それをオリジナルのφ40mmに戻したS20型エンジンが搭載されるエンジンルームなど【写真11枚】

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(KPGC10)
SPECIFICATION 主要諸元
●全長 4330mm
●全幅 1665mm
●全高 1370mm
●ホイールベース 2570mm
●トレッド前/後 1370/1365mm
●最低地上高 160mm
●室内長 1655mm
●室内幅 1325mm
●室内高 1110mm
●車両重量 1100kg
●乗車定員 5名
●最高速度 200km/h
●登坂能力tanθ 0.58
●最小回転半径 5.2m
●エンジン型式 S20型
●エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
●総排気量 1989cc
●ボア×ストローク 82×62.8mm
●圧縮比 9.5:1
●最高出力 160ps/7000rpm
●最大トルク 18.0kg-m/5600rpm
●トランスミッション型式 O.D付前進5段後退1段、ポルシェタイプ・サーボシンクロ式
●変速比 1速2.957/2速1.858/3速1.311/4速1.000/5速0.852/後退2.922
●最終減速比 4.444
●燃料タンク容量 100L
●ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
●サスペンション前/後 コイルスプリング独立懸架ストラット式/コイルスプリング独立懸架、セミトレーリングアーム
●ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも 6.45H-14-4PR
●発売当時価格 154万円 ※データはハイオク仕様

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年2月号 Vol.161(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全3記事)

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photo: ISAO YATSUI/谷井 功

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