3年連続のコンストラクターズ・タイトルをもたらした|1974年式 ランチア ストラトスHFストラダーレ Vol.2

65度V型6気筒2418ccのディーノ・エンジン。

       
【1974年式 ランチア ストラトスHFストラダーレ Vol.2

WRCでの大成功

 かくして完成にこぎつけたストラトスは、生産台数も当時のグループ4ホモロゲートに必要な500台+αのみに限られ、FIAへの申請とほぼ同時、73年末頃から、カロッツェリア・ベルトーネがトリノ近郊で操業していたグルリアスコ工場にて、短期集中態勢で組み立てられたという。

 そして生来の目的どおりFIAグループ4ホモロゲートを獲得。WRCに参戦したストラトスは、チェーザレ・フィオリオとランチア・スクアドラ・コルセに託されて、70年代中盤のWRCで大活躍を見せることになった。名手サンドロ・ムナーリらがドライブするワークス・ストラトスは、ランチアに1974年から1976年まで、実に3年連続のコンストラクターズ・タイトルをもたらしたのだ。

 しかし、順風満帆に見えたストラトスだが、親会社フィアット・グループの販売戦略に合わせて、その翌年からはWRC用マシンは量産車のPRのためフィアット131アバルト・ラリーに転換。ワークス・ストラトスは事実上の退役を余儀なくされてしまう。

 それでも、プライベート・チームのエントリーにより、79年ラリーモンテカルロとサンレモ・ラリーでも総合優勝を果たすなど、ストラトスの実力はグループ4時代が終焉を迎えるまで、色あせることがなかったのである。


  
Vol.3に続く

正式な車名やシャシーNo.などが記された型式プレートなど【写真6枚】

1974年式 ランチア ストラトスHFストラダーレ主要諸元
全長 3710mm
全幅 1750mm
全高 1115mm
ホイールベース 2180mm
トレッド 前1430/後1460mm
車両重量 980kg
エンジン種類 水冷V型6気筒DOHC
ボア×ストローク 92.5×60.0mm
総排気量 2418cc
圧縮比 9.0:1
最高出力 190ps/7000rpm
最大トルク 23.0kg-m/4000rpm
ステアリング ラック&ピニオン
ブレーキ 前後ともベンチレーテッド・ディスク
サスペンション 前ダブルウイッシュボーン/後マクファーソンストラット

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年2月号 Vol.161(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 ランチア ストラトスHFストラダーレ(全3記事)

ストラトス 記事一覧

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text : HIROMI TAKEDA/武田公実 photo : DAIJIRO KORI/郡 大二郎

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