トヨタ・ツインカムの原点ここにあり トヨタ 2000 GT 2

       

最初の出合いは、映画『007は二度死ぬ

トヨタがDOHCエンジン搭載車を発売し始めた頃、ちょうど中学、高校という多感な時期を迎えていたのが、今回の取材車両、トヨタ2000GTのオーナーである遠藤克憲さんだ。
「私とトヨタ2000GTとの最初の出合いは、映画『007は二度死ぬ』の中に出ていたボンドカーでした。父親と一緒に映画館へ行って、リアルタイムで見ていました」

 遠藤さんは、特にベレットGT、ホンダS600&S800、ブルーバードSSSなどが好きだったそうで、その理由は「大人になって仕事を持てれば、何とか買うことができそうなクルマだったから」。ボンドカーがきっかけで知ったトヨタ2000GTは「夢のまた夢で、自分で所有できるとは、まったく考えていませんでした」というほど、とても遠い存在でしかなかった。

 社会人になり、事業で成功を収めた遠藤さんは、クルマ好きとしても着実に経験を重ねた。輸入車、国産車を問わず、スポーツカーはもちろんのこと、多くのクルマに乗ってきた。ところが2年ほど前に、知り合いから紹介された国産旧車を引き取ったことで、ひとつの転機が訪れたのだ。

「62年式のコロナ1500デラックスを、縁あって買うことになりました。黒のボディで3速コラムシフト。そのうえ『神5』のシングルナンバーです。レストアもしないで乗っていますが、乗り味とかが実にいいんですよ。ふつうに道を走っているのが楽しい。それで旧車の味わいに目覚めてしまいました」

センターコンソール
ホイール
シート
2000GT 内装


掲載:ノスタルジックヒーロー2011年 08月号 vol.146(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo:Isao Yatsui/谷井 功

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