この棒でエンジンがかかるの!? 時計、ラジオ、ヒーターも装備「トラックらしくない豪華装備」は取り外した?|1959年式 ダットサン 1000 トラック Vol.3|全日本保護指定旧車協会

フロントナンバープレートを外すと、そこにはクランク棒を入れる穴があった。このシステムは520前期型まで継承された。

       
【1959年式 ダットサン 1000 トラック Vol.3 全日本保護指定旧車協会】

「父親の仕事の関係で、子供のころからいつも周りに商用車があり、気がついたら商用車と日産が好きになっていた」と話してくれたのは、G221のオーナーである宇都宮実さん。購入の決め手はオリジナル度が高かったこと。

 このほか、本来はトラックには付かないはずの時計、ラジオ、ヒーターも装備されていたのだが、ヒーター以外は「トラックらしくない豪華装備」ということで、取り外されている。

 これだけ充実した内装を誇るG221だが弱点がある。残念ながら機関の方は、走るたびに何らかのトラブルに見舞われるそうで、その都度自分の手で直す日々が続いているという。

 快適だったクルマ、速かったクルマ、目立ったクルマはいくらでもあるが、もっと身近で役に立ったクルマ、働き者の相棒として動き回ったクルマも後世に伝え、残していきたい……。

 そう考えると、このダットラを保護指定の一台に加えることは、とても自然なことのように感じられる。実用車の美学よ、永遠なれ。

ダットサンのカタカナが誇らしいエンジンルーム内の型式プレートなど【写真7枚】

1959年式 ダットサン 1000 トラック 主要諸元
●全長4030mm
●全幅1466mm
●全高1625mm
●ホイールベース2520mm
●トレッド前1170mm/後1180mm
●最低地上高175mm
●荷台内側寸法長1820mm
●荷室幅1368mm
●荷室高408mm
●車両重量940kg
●最大積載量1000kg
●乗車定員2名
●最高速度90km/h
●登坂能力sinθ0.25
●最小回転半径5.9m
●エンジン型式C型
●エンジン種類水冷直列4気筒OHV
●総排気量988cc
●ボア×ストローク73×59mm
●圧縮比7.0
●最高出力34ps/4400rpm
●最大トルク6.6kg-m/2400rpm
●変速比1速4.94/2速3.01/3速1.73/4速1.00後退6.46
●減速比5.857
●燃料タンク容量26.5L
●ステアリング形式ウォームローラー式
●サスペンション前後とも半楕円リーフスプリング
●ブレーキ前後ともドラム
●タイヤ前5.50-15-6P.L.T/後5.50-15-8P.L.T
●発売当時価格57万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年2月号 Vol.161(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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