「子供のころからいつも周りに商用車」思い出が忘れられず探した1台|1959年式 ダットサン 1000 トラック Vol.2|全日本保護指定旧車協会

今回取り上げたダットサンG221のほかにも、130セドリックワゴン、初代ADバンなど、日産の商用車ばかりを持っている宇都宮さん。全日本ダットサン会と日産コマーシャルカークラブに所属し、仕事はサファリモータースの整備担当と、公私ともに旧車に浸っている。

       
【1959年式 ダットサン 1000 トラック Vol.2 全日本保護指定旧車協会】

 220型は、厳密にいうと標準ホイールベース850kg 積みのモデルに与えられた型式で、このほかロングホイールベース1t積みのG220、ダブルキャブのU220、バンのV220といったバリエーションが存在した。

 58年10月、220型はマイナーチェンジを受けて221型へと発展。続く59年には荷台下側のラインがキャビンと同じ位置近くにまで引き延ばされた222型となり、セダンとの共用を終了(セダンはブルーバードへ変更)。61年から発売された220系最終モデルの223型では、フロントに新しくダブルウイッシュボーンサスを備え、1189cc、55馬力のE型エンジンを搭載する、より使えるクルマへと変貌するに至った。

「父親の仕事の関係で、子供のころからいつも周りに商用車があり、気がついたら商用車と日産が好きになっていた」と話してくれたのは、G221のオーナーである宇都宮実さん。自分が幼いころに、父親が実家の仕事のために中古で買った220型との思い出が忘れられず、ずっと探していたところ、約3年前にコレクターから譲ってもらったとのこと。購入の決め手はオリジナル度が高かったことで、助手席の前方に付く大型の取っ手などは、劣化せずに残っているだけで珍しいものなのだそうだ。

Vol.3へ続く

宇都宮さんにとって子供のころに握っていた思い出のある装備品であるグローブボックスの上にある大型の取っ手など【写真7枚】

1959年式 ダットサン 1000 トラック 主要諸元
●全長4030mm
●全幅1466mm
●全高1625mm
●ホイールベース2520mm
●トレッド前1170mm/後1180mm
●最低地上高175mm
●荷台内側寸法長1820mm
●荷室幅1368mm
●荷室高408mm
●車両重量940kg
●最大積載量1000kg
●乗車定員2名
●最高速度90km/h
●登坂能力sinθ0.25
●最小回転半径5.9m
●エンジン型式C型
●エンジン種類水冷直列4気筒OHV
●総排気量988cc
●ボア×ストローク73×59mm
●圧縮比7.0
●最高出力34ps/4400rpm
●最大トルク6.6kg-m/2400rpm
●変速比1速4.94/2速3.01/3速1.73/4速1.00後退6.46
●減速比5.857
●燃料タンク容量26.5L
●ステアリング形式ウォームローラー式
●サスペンション前後とも半楕円リーフスプリング
●ブレーキ前後ともドラム
●タイヤ前5.50-15-6P.L.T/後5.50-15-8P.L.T
●発売当時価格57万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年2月号 Vol.161(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1959年式 ダットサン 1000 トラック記事一覧(全3記事)

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text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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