欧州スポーツカーと肩を並べる動力性能。ボルグワーナー製ミッション採用の理由は?|1983年式 日産 フェアレディZ 300ZX Vol.2|オーバー200馬力の衝撃

ボディカラーは2トーンが4種類、モノトーンが3種類。

       
【1983年式 日産 フェアレディZ 300ZX Vol.2】

 このVG30ET型は、バンク角60度のSOHCエンジンで、ギャレット製タービンを装着。また、V型エンジンは設計上ショートストロークになりがちなのだが、そうするとトルクが不足する傾向にある。そこで、トルク不足を補うため、インテークマニホールドに吸気慣性効果を高める“サイアミーズコレクター”と呼ばれる装置を導入。加えて、大口径スロットルチャンバーを採用して吸入抵抗を低減することで、鋭いレスポンスと高回転での伸びを手に入れた。そして、当時のターボエンジンとしては高い7.8という圧縮比を実現し、ハイパワーと優れた燃焼効率を獲得。結果、欧州スポーツカーと肩を並べる動力性能を手に入れたのだ。

 ちなみに、2LのVG20ET型には日産内製の5速MTがドッキングされていたが、VG30ET型にはボルグワーナー製の5速MTが組み合わされていた。そのようなことから、3Lターボの大パワー&大トルクに対応できるミッションが、当時の日産にはなかった……という見方もあるほどだ。



Vol.3に続く

当時の日産車に多く見られた直線基調のインパネなど【写真5枚】

1983年式 日産 フェアレディZ 300ZX(Z31)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4535×1725×1310
ホイールベース(mm)  2520
トレッド前/後(mm)  1415/1435
車両重量(kg)  1370
エンジン型式  VG30ET型
エンジン種類 V型6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
圧縮比 7.8:1
最高出力(ps/rpm) 230/5200
最大トルク(kg-m/rpm) 34.0/3600
変速比 1速2.458/2速1.458/3速1.000/4速0.686/後退2.182
最終減速比 3.545
ステアリング ラック&ピニオン式
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 331万円

初出:ハチマルヒーロー vol.20 2013年02月号(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 日産 フェアレディZ 300ZX(全3記事)

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photo : AKIO HIRANO/平野 陽 text : Rino Creative/リノクリエイティブ

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