「幌はこれで4枚目。前回車検のときに新品にしてます。特注ですが、まだ作ってもらえるんですよ」|1990年式 三菱 パジェロ キャンバストップ スーパースポーツ Vol.3

パリダカでの活躍により、パジェロはタフなオフローダーとして、その実力が世界に認められた。

       
【 1990年式 三菱 パジェロ キャンバストップ スーパースポーツ Vol.3】

その一方で、三菱はパジェロでラリーの世界に挑戦。1983年のパリ〜ダカールラリーでは、初参戦にして市販車無改造クラスで優勝という快挙を成し遂げる。1984年は市販車改造クラスにステップアップし、ここでもクラス優勝。さらに総合3位で表彰台も獲得した。そして参戦3年目の85年、パジェロは究極のオフロードマシンであるプロトタイプ(改造無制限)クラスに挑み、三菱はもとより日本車で初のパリダカ制覇という偉業を達成。日本のRV史に残る伝説を生み出したのだった。

 パリダカはサハラ砂漠を横断し、1万km以上の距離を走る、世界で最も過酷なラリー。この競技に初参戦から確実に結果を残し、わずか3年で頂点に立てたことが、パジェロの基本性能がいかに優れていたのかを如実に物語っている。この活躍により、パジェロはタフなオフローダーとして、その実力を世界が認めた。そして、ここ日本でもその功績は広まり、4WDブームの火付け役となったのだった。




OWNER’S VOICE/坂倉慶太さん

 この初代パジェロを新車で購入して以来、21年間所有している坂倉慶太さん。「もともとジープが好きだったんですよ。それで、似ているこのパジェロにしたわけです。キャンバストップを選んだのもジープの影響。ほとんどフルオープンにしたことはないですけど。すごく大変ですから」とのこと。それから今まで乗り続けているのは、「やっぱり好きだから。今では3Lガソリンの幌はほとんど現存してないんじゃないですか。だから使命感みたいな感じですね」と、その理由を語る。21年間で大きなトラブルはなかったそうだ。「幌はこれで4枚目。前回車検のときに新品にしてます。特注ですが、まだ作ってもらえるんですよ」。

アルミ合金ピストンの採用で軽量な6G72型サイクロンエンジンなど【写真5枚】

1990年式 三菱 パジェロ キャンバストップ スーパースポーツ
SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高(mm) 3960×1680×1835
ホイールベース(mm) 2350
トレッド前/後(mm) 1400/1415
車両重量(kg) 1530
エンジン型式 6G72型
エンジン種類 水冷V型6気筒SOHC
総排気量(cc) 2972
ボア×ストローク(mm) 91.1×76.0
圧縮比 8.9:1
最高出力(ps/rpm) 150/5000
最大トルク(kg-m/rpm) 23.5/2500
変速比 1速3.918/2速2.261/3速1.395/4速1.000/5速0.829/後退3.925
最終減速比 4.625
ステアリング ボールナット式
サスペンション 前ダブルウイッシュボーン
後リーフスプリング式リジット
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後リーディングトレーディング
タイヤ 215SR15(前後とも)
発売当時価格 183.5万円

初出:ハチマルヒーロー 2012年 11月号 vol.19(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 三菱 パジェロ キャンバストップ スーパースポーツ(全3記事)

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photo : ISAO YATSUI/谷井 功 text : Rino Creative/リノクリエイティブ

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