インテリアもコスモの見どころのひとつ「とりあえず壊れた所から直します」|1990年式 ユーノス コスモ 20B Vol.2|バブルでGO!!

黒いパネルに文字が浮かび上がるブラックアウトメーターを採用。

       
【 1990年式 ユーノス コスモ 20B Vol.2】

 伸びやかで優雅なラインを持ったスタイルは、どのクルマにも似ていない独創的なもので引きつけられる。しかし、インテリアもコスモの見どころのひとつだ。本革張りの内装には、オーストリアのシュミット・フェルドバッハ製の牛革を採用。1台に3頭分もの革が使われているそうだ。また、フランス・リヨン産の楡を、イタリアの工房シンプレス社が加工する本木目パネルは、自然の色のまま加工している(染色していない)ため、個々で色が違うのは有名な話。これだけで十分すぎるほど贅沢な内容だ。

 さらに話題を集めたのが、世界初の〝CCS(カー・コミュニケーション・システム)〟と呼ばれる、GPSカーナビ。GPSを使った位置情報は現代では当たり前だが、その始まりはこのコスモからだったのだ。

OWNER’S VOICE

SAでロータリーにはまり最高峰の20Bに辿り着く/福島宏一さん



 免許を取得し、初めての愛車がSA22Cだったという福島宏一さん。その後もFC3Sに乗り換え、再びSA22Cを手に入れるなどし、徐々にロータリーの魅力にハマっていってしまったそうだ。そして、ロータリーの最高排気量である20B型エンジンに憧れ、コスモを手に入れたという。

 ただ、じつは現在のコスモは通算2台目の個体。購入時はサスペンションのヘタリやミッションのオイル漏れなどはあったものの、ボディのコンディションは上々。フルノーマルの状態だったが、前車からパーツを移植するなどして、現在の仕様ができあがった。これまでに目立ったトラブルはなく、2年ほど前にエアコンが故障した程度。しかし、パーツがどんどん少なくなってきており、イグニッションコイルやエアフロ、サージタンクなどはスペアをキープしているそうだ。

 今後は「とりあえず壊れた所から直します」とオーナー。絶滅危惧種となりつつある20B型エンジンとともに、カーライフを満喫してもらいたい。

Vol.3に続く

オーナーが前愛車から使っていたモノを移植したスパルコのステアリングなど【写真5枚】

1990年式 ユーノス コスモ 20B タイプS(JCESE)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4815×1795×1305
ホイールベース(mm) 2750
トレッド前/後(mm) 1520/1510
車両重量(kg) 1590
エンジン型式 20B-REW型
エンジン種類 水冷直列3ローターツインターボ
総排気量(cc) 654×3
圧縮比 9.0:1
最高出力(ps/rpm) 280/6500
最大トルク(kg-m/rpm) 41.0/3000
変速比 1速2.784/2速1.544/3速1.000/4速0.694/後退2.275
最終減速比 3.909
燃料タンク(L) 85
ステアリング ラック&ピニオン式
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 225/50R16(前後とも)
発売当時価格 420.0万円

初出:ハチマルヒーロー 2012年 11月号 vol.19(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 ユーノス コスモ 20B(全3記事)

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photo : MAKOTO INOUE/井上 誠 text : Rino Creative/リノクリエイティブ

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