「ソアラのデザインは、中身が詰まっていて高そうに見えなくてはならない」|1990年式 トヨタ ソアラ 3.0GTリミテッド Vol.3|バブルでGO

ソアラに必要な高品質なデザインを求めた結果、2代目はキープコンセプトになった。

       
【 1990年式 トヨタ ソアラ 3.0GTリミテッド Vol.3】

 デザインに関しても同様で、開発主査の岡田稔弘さんは当時のインタビューで、「初代ソアラのイメージを踏襲する意識はなかったが、ソアラに必要な高品質なデザインを求めた結果、2代目はキープコンセプトになった。ソアラのデザインは、中身が詰まっていて高そうに見えなくてはならない」と語っている。デザイナー出身という岡田さんらしいエピソードだ。

 Z20に投入された新技術、新装備は100を超えると言われている。まさに技術の粋を集めたクルマだ。好景気が訪れる前にこれだけのことができたのは、ソアラという特別な存在だったからだろう。そして、バブル景気の後押しを受け高価格にもかかわらず販売は好調で、発売から約5年間で30万台以上を売り上げる大ヒット。バブルの申し子として、スペシャリティーカーの地位を揺るぎないものとした。

あまりの状態のよさにノーマルで乗ることを決意

owner’s voice 五十幡好史さん



「今年になってから2回しか洗車していません」と話すオーナーの五十幡好史さん。しかし取材車両のコンディションは抜群で、毎日手入れをしているのかと思うほどキレイな状態を保っている。

 そんなZ20ソアラは、デビュー当時からオーナーが欲しかったクルマ。しかし経済的に購入できず、約5年前にやっと手に入れたのである。購入時はインターネットで確認しただけで、現物を見ずに注文。そのため、細かなところまでは分からないので、不安もあったそうだ。しかし実物を見て、あまりのキレイさにびっくりしたという。当初は購入後にいろいろと手を入れる予定だったが、純正を維持して乗ろうと決意したそうだ。

 ちなみに、オーナーはこれまでAE86やカマロ、BMWやS30フェアレディZなど、さまざまなクルマに乗ってきた大のクルマ好き。それだけにこだわりも強いが、「ソアラは購入してよかったですね」とご満悦の様子。最後に「今後もノーマルにこだわって乗り続けていく」と固い決意を語った。

後期型となり240psにパワーアップを果たし当時最強ユニットのひとつである7M-GTEU型エンジンなど【写真4枚】

1990年式 トヨタ ソアラ 3.0GTリミテッド(MZ21)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4675×1725×1335
ホイールベース(mm) 2670
トレッド前/後(mm) 1460(前後とも)
車両重量(kg) 1550
エンジン型式 7M-GTEU型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 2954
ボア×ストローク(mm) 83.0×91.0
圧縮比 8.4:1
最高出力(ps/rpm) 240/5600
最大トルク(kg-m/rpm) 35.0/3200
変速比 1速2.804/2速1.531/3速1.000/4速0.705/後退2.393
最終減速比 3.727
ステアリング ラック&ピニオン式
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215/60R15
発売当時価格 421.3万円

初出:ハチマルヒーロー 2012年 11月号 vol.19(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 トヨタ ソアラ 3.0GTリミテッド(全3記事)

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photo : AKIO HIRANO/平野 陽 text : Rino Creative/リノクリエイティブ 

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