TCハコスカに積んだNA3.2Lエンジンは実測400〜450psが目標!|1970年式 日産 スカイラインHT 2000GT Vol.6|6気筒の挑戦者たち 

「プロショップ ナカガワ」のシャシダイにてセッティング

       
【1970年式 日産 スカイラインHT 2000GT Vol.6】

 2014年春の腰下が組み上がった状態から約半年、ようやくハコスカにTC24-B1Zが載り、エンジンに火が入った。ハコスカ用のプロトタイプとして組み上げられているが、中川さんが考える究極のTC24-B1Zにチューンナップされている。ボア×ストロークはφ89mm×86mmで、圧縮比は12以上という超ハイコンプ仕様。カムは作用角300度/リフト11.5mm、バルブは軽量インテークバルブ、ロングタイプバルブSPを採用。ピストンはXスタイルの超軽量鍛造で、ピン上29mm、ピン径20mm。ブロック本体にも加工が施されていて、目標は400〜450psだ !! 

ECUはMoTeC m84



 TCハコスカのECUには、MoTeC m84が採用された。m84は、フルシーケンシャル制御(各気筒別精密制御方式)が可能で、緻密なセッティングができる。そのため、正確なエンジン回転と120度の信号が必要になる。TCハコスカでは、フライホイールでエンジン回転を、カムアングルで気筒を判別するためセンサーを装着している。MoTeC m84本体は、助手席の足元のキックボードに、ワンオフステーを製作して設置してある。

N42マニアブロックの3.2Lフルチューン仕様



 腰下のL28型ブロックは、「N42マニアブロック」と呼ばれる前期のタイプ。ブロック前面の四角い水穴の下側が白っぽくなっているのは、ブロックフィラーを注入した証し。ウオータージャケット内部にカチンコチンに固まる液体を注入し、ブロック強度を上げるチューニングだ。

カムカバーの前側に装着されたセンサー/タフトライド処理されたフルカウンタークランクなど【写真9枚】

1970年式 日産スカイライン HT 2000GT(KGC10)
SPECIFICATIONS
●エクステリア:ボディフルレストア/プロテック製フロントスポイラー&オーバーフェンダー/Rファクトリー製リアスポイラー/HIDヘッドライト
●エンジン:TC24-B1Z L28型改3.2L、MoteC M84インジェクション仕様
●冷却系:アルミ3層ラジエーター、オイルクーラー
●駆動系:MOREDRIVEオフセットカーボンツインクラッチ、OS3速クロス(71C)、R200ニスモLSD(ファイナル4.1)
●足回り:F:車高調、R:8段調整式ダンパー+車高調整式スプリング
●ブレーキ:F:R32タイプM用キャリパー&φ300mmローター、R:アルフィンドラム
●タイヤ:ブリヂストン・ポテンザ F:RE11 195/50R15、R:RE01 225/50R15
●ホイール:ロンシャンXR4 F:15×9J-25 R:15×10J-40
●内装:ダッツンコンペステアリング&バケットシート、レース用ワイドミラー
●その他:ATL50L安全タンク、ボッシュ製フューエルポンプ、サード製燃料レギュレーター

ENGINE SPEC.
●L28型改3.1L仕様
オリジナル形状アルゴンヘッド、L28型N42ブロック、ワイセコ製DatsunSpirit SPLピストン、オートサービス渡辺製I断面コンロッド、クロワーフルカウンタークランク、ニスモメタル、和光製75Sカムシャフト、φ46-38mmバルブ、イスキー製バルブスプリング、チタンバルブリテーナー
●吸排気系:TWM製φ50mmスロットル、1JZ型純正インジェクター、テクニカルサービスササキ製フルチタンSPLマフラー、和光製6-1タコ足、サブライブ製ドライカーボンインダクションボックス、HPIエアクリーナー
●点火系:MSD 7AL2、S130純正最終型対策品デスビ
●制御系:Motec M84

初出:Nostalgic SPEED 2015年 03月号 vol.006(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 日産 スカイラインHT 2000GT(全6記事)

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photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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