プライベートで370ps超え! インジェクション化されたL28型改|1975年式 日産 フェアレディZ Vol.1|6気筒の挑戦者たち

現在装着しているチタンマフラーは2本目。

       
【 1975年式 日産 フェアレディZ Vol.1】

S30Zを手にしてから約20年。まだ誰も手をつけていない領域に踏み込み、トライ&エラーを繰り返しながら、自らの手で作り上げたインジェクション仕様のL28型3.1Lエンジン。そのポテンシャルは、自然吸気のメカチューンとしてはトップレベルに昇りつめた。オーナー自ら「最終形」というその仕様の全貌に迫る。

 ハコスカGT‐Rに積まれるS20型と並んで、旧車6気筒エンジンの中心的な存在がL型エンジンだ。レーシングカーに直結する至宝と呼ばれたS20型に対して、L型は多様な排気量を揃え、数多くの車種に搭載された量産車の中心的エンジンだ。その素性はまったく異なるのだが、多種多様であったからこそ、後に大きな花を咲かせることとなった。というのも、排気量アップをはじめとして、今ではL型エンジンには多彩なチューニングメニューが確立されているのだ。

 そんなL型エンジンのチューニングで今、注目を集めているのがインジェクション化だ。インジェクションのメリットは、セッティングが決まってしまえば、快適かつ安定した速さを手にすることができること。キャブの場合、気温や気圧の変化などによってセッティングを変えなければ、ポテンシャルを十二分に発揮できない。これがキャブの楽しさでもあるのだが、インジェクションであればECUが制御・補正をしてくれるため、その必要はなくなるのだ。そんな快適性と速さで、近年、L型インジェクションチューン車が増えてきている。

 このS30Zもインジェクション化されたL型エンジンを搭載する。だが、最初に手掛けられたのは、2001年にまでさかのぼる。今では情報やデーターが増えてきているが、当時は皆無。そんな状況でも、オーナーの佐藤達也さんはインジェクション化に踏み切った。

Vol.2、Vol.3に続く

L型エンジン。そのメカチューンの最終形とオーナーが語ったエンジンルームなど【写真7枚】


1975年式 日産 フェアレディZ(S30)
SPECIFICATIONS
●エクステリア:オリジナルフロントスポイラー、クラッシクカーナゴヤ製オーバーフェンダー
●エンジン:L28型改3.1L仕様
●冷却系:グリフィン社製アルミ3層ラジエーター、HPIオイルクーラー
●駆動系:ニスモ6速、APレーシング製クラッチ、R200LSD
●足回り:前後スーパーオーリンズ特注車高調、swiftスプリング(F:10kg/mm、R:9kg/mm)、純正改ターンバックル式ピロ仕様フロントロワアーム、ピロテンションロッド、フルピロ仕様前後スタビリンク、大河内自動車SPLロアアーム
●ブレーキ:前エンドレスM4キャリパー&R34GT-R 2ピースローター、後:エンドレスS2キャリパー&R34GT-R N1ローター
●タイヤ:F:ダンロップ ディレッツァZⅡ スタースペック 235/40R17、R:ダンロップ ZⅡ スタースペック 245/40R17
●ホイール:RAYS TE37V F:17×9.5J/R:17×10J
●内装:ブリッド製カーボンバケットシート2脚、サイトウロールケージ製アルミロールケージ、サベルト製4点式ハーネス、ナルディクラシックφ350mmステアリング、オートメーター製各種メーター

ENGINE SPEC.
●L28型改3.1L仕様
オリジナル形状アルゴンヘッド、L28型N42ブロック、ワイセコ製DatsunSpirit SPLピストン、オートサービス渡辺製I断面コンロッド、クロワーフルカウンタークランク、ニスモメタル、和光製75Sカムシャフト、φ46-38mmバルブ、イスキー製バルブスプリング、チタンバルブリテーナー
●吸排気系:TWM製φ50mmスロットル、1JZ型純正インジェクター、テクニカルサービスササキ製フルチタンSPLマフラー、和光製6-1タコ足、サブライブ製ドライカーボンインダクションボックス、HPIエアクリーナー
●点火系:MSD 7AL2、S130純正最終型対策品デスビ
●制御系:Motec M84



初出:Nostalgic SPEED 2015年 03月号 vol.006(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 日産 フェアレディZ(全3記事)

フェアレディZ 記事一覧

6気筒の挑戦者たち 記事一覧

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

RECOMMENDED

RELATED

RANKING