満を持して仙台ハイランドに持ち込まれたS30Zはベストタイムを更新したのか?|1970年式 日産 フェアレディZ Vol.2|6気筒の挑戦者たち

L28型改3.2Lのメカチューンエンジンから、365㎰/39.0kg‐mを絞り出す。

       
【 1970年式 日産 フェアレディZ Vol.2】

 エンジン本体は、以前の3.1Lから3.2Lへとアップデート。腰下はN42ブロックをベースに、アメリカ・CP製のφ89.5mm鍛造ピストンや、オートサービスワタナベ製の86mmフルカウンタークランクシャフト、H断面コンロッドなどを採用。メタルはニスモ製だ。一方ヘッド回りもアルゴンヘッドに亀有製のφ46/38mmビッグバルブ、オートサービスワタナベの78度カム(リフト量9.8mm)などを組み、キャブはソレックスφ50mmをチョイス。

 組み上げられたL28型改3.2Lフルチューンは、ダイノパックで365㎰/39.0kg‐mをマーク。そして、HKS製のSR型エンジン用の5速ドグミッションを組み、ゴール時に5速吹け切りとなるよう、ファイナルは4.375を選択している。



 こうして満を持して仙台ハイランドに持ち込まれたS30Zは、それまでのベストタイムを更新する11.08秒を記録。水上さんは「あわよくば10秒台……と思っていましたが、無理でした」と話すが、じつはこの車両、組み上げた期間はわずか2カ月しかなく、エンジンのナラシはほかのS30に載せて行ったほど。こうした事情を考えると、十分に納得のできるタイムなのではないだろうか。

Vol.3に続く

ソレックスφ50mmで、リンケージはすべてチタン製に変更されたキャブなど【写真8枚】

1970年式 日産 フェアレディZ(S30)
SPECIFICATIONS

●エクステリア:FRP製ボンネット/フロントフェンダー/ドア/バンパー、総アクリルガラス
●エンジン:L28型改3.2L仕様
●冷却系:サイドタンク式クロスターン・アルミ2層ラジエーター、オリジナルオイルフィルター
●駆動系:HKS製SR型エンジン用5速ドグミッション、OS技研製トリプルプレート、R200デフ(4.375)、Z31用プロペラシャフト(ショート&バランス加工)、R31用等速ドライブシャフト(ショート加工)、アリゾナZcar製デフキャリア
●足回り:オーリンズベースオリジナル仕様(F:8kg/mm F:6kg/mm)、アリゾナZcar製フロントロワアーム、パイプリアロワアーム改
●ブレーキ:フロントMK63キャリパー
●タイヤ:F:グッドイヤー フロントランナー 23.0×15-15 R:M&H レースマスター 26×10.5-15
●ホイール:F:SSRマークⅠ、R:RSワタナベ・エイトスポーク
●内装:FRPダッシュボード、スタック製メーター(タコ、燃料、油温、油圧、水温)、PLX製空燃費計、ダッツンコンペステアリング、ウィステリアジャパン製RA300Cバケットシート、シンプソンフルハーネス、サイトウロールケージ製アルミ14点式ロールケージ
●その他:フルスポット増し、ハースト製ラインロック、ATL12ガロン燃料タンク

ENGINE SPEC.
●L28型改3.2L仕様
N42ブロック/CP製鍛造φ89.5mmピストン/オートサービスワタナベ製86mmフルカウンタークランク/H断面コンロッド/ニスモ製メタル/アルゴンヘッド/亀有製φ46-38mmビッグバルブ/レーシングサービスワタナベ製78度カム/アリゾナZcar製大容量オイルパン
●吸排気系:ソレックスφ50mm/原田商会製インマニ/オリジナルφ48.6mm等長6-1タコ足/オリジナルφ80mmオールステンレスマフラー
●点火系:MSD・7AL/マロリー製デスビ

初出:Nostalgic SPEED 2015年 03月号 vol.006(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 日産 フェアレディZ(全3記事)

フェアレディZ 記事一覧

6気筒の挑戦者たち 記事一覧

photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

RECOMMENDED

RELATED

RANKING