新たなドナーカーを入手し、イチからのマシン製作|1983年式 ダットサン 280ZX Vol.2|6気筒の挑戦者たち 

シフトライト付きの大型タコメーターはドラッグマシンの必需品。

       
【1983年式 ダットサン 280ZX Vol.2】
 
 しかしその目標に向かうには、愛車のボディは限界に来ていた。そこで関さんは新たなドナーカーを入手し、イチからのマシン製作を決意する。

 エンジンとジェリコ製ミッションは持ち越したが、長年の課題であったトラクション不足を解消するため、リアはR33スカイラインGT–Rのマルチリンクサスペンションを丸ごと移植するという大手術を敢行。そしてそれに伴い拡大したトレッド幅をボディ内に収めるために、関さんがチョイスしたのがABRのワイドボディキットだった。

 いまや伝説として語られる走り屋チーム「ミッドナイト」。そこに所属していた有名な130Zが、このボディキットを装着しており、これも関さんが昔から憧れているアイテムだったのだ。関さんの友人でもあるドゥーキーズ込谷さんの手によって大手術を終えたZは、シェイクダウン含みで臨んだレースでいきなり10秒16を記録。そして2008年9月。ついにこのZは9秒59というストックボディでのL型ターボ最速の座を手に入れる。



Vol.3に続く

レーシーなエキップメントが多数装備されつつも、やり過ぎていないたたずまいのインテリアなど【写真8枚】

1983年式 ダットサン 280ZX
SPECIFICATIONS
●駆動系:ジェリコ製Vゲート4速ミッション、R33スカイラインGT-R用デフ、ドライブシャフト
●足回り:F:KYBショック、R:R33スカイラインGT-R用リアマルチリンクサスペンション、PCR製ショック、イケヤフォーミュラ製調整式アーム
●ブレーキ:F:R32スカイラインGT-R用流用 R:R33スカイラインGT-R用流用
●ホイール:ワーク・エモーションXT7(F:17×7.5JJ R:17×9.5JJ)
●タイヤ:F:ヨコハマ・DNAエコス 215/40R17 R:フージャー・ドラッグラジアル 275/40R17  
●エクステリア:ABR製ボディキット
●インテリア:ブリッド製バケットシート、サベルト製ハーネス、ワンオフロールケージ、ブーストコントローラー

ENGINE SPEC.
●エンジン:L28型改3.1Lターボ仕様、ボア89.5mm×ストローク83mm、JE製特注鍛造ピストン、カーニングハム製I断面コンロッド、クロワー製フルカウンタークランク、
シュナイダー製特注300度カム、インフィニティ用φ90mmスロットル、ワンオフサージタンク、T88H-34Dタービン、ワンオフインタークーラー&パイピング、ワンオフφ45mmステンエキマニ&φ90mmマフラー、ダイレクトイグニッション、NOSシステム、HKS製F-CON V Pro制御

初出:Nostalgic SPEED 2015年 03月号 vol.006(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 ダットサン 280ZX(全3記事)

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text : TAKAYOSHI SUZUKI/鈴木貴義 photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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