縦デュアルがオプションで装備できたグレードとは?|1973年式 日産 フェアレディZ-L  Vol.1

迫力ある縦デュアルマフラーは、ZとZ-Lではオプションパーツとなっていた。

       
【1973年式 日産 フェアレディ Z-L  Vol.1】

 1969年11月の発売から78年8月にフルモデルチェンジされるまで、約9年間販売されていたS30フェアレディZ。ロングノーズ、ショートデッキの美しいプロポーションに強力な動力性能とメカニズムを搭載して、国内外のレースやラリーを席巻した名車だ。当時の日本車の実力を広く世界に知らしめ、国内だけでなく北米や欧州でも、いまだに高い人気を誇っている。

 ここで紹介するのは、73年式のS30フェアレディZで、当時は全5車種10タイプのバリエーションをラインナップしていた。2.4LのZG、Z-L、Z、2LのZ-L、Z。車両仕様は5速MT、4速MT(2LZのみ)、ニッサンマチック(3連AT)の3種類。



 Z-Lは基本的にはZと変わりはないが、ミッションを前進5段にして、ストップウオッチ付き時計、リクライニングシート、熱線リアガラスなど、Zのオプション設定となる装備を標準で備えていた。パワープラントはZと変わらず、車重は20kg増えて、995kgとなっていたが、変速機が5段となって、最終減速比が3.900に変わったため、最高速度は195km/ h、0-400mは16.9秒となっていた。

米国に受け入れられたS30フェアレディZ

 アメリカへの輸出を意識してトヨタが開発した2000GTは、高価すぎて販売台数が伸びなかったが、その直後に開発されたS30フェアレディZは、国内はもちろん、アメリカでも成功を収めた。

 日産は、Zを開発するにあたって米国市場の調査からスタートして、アメリカ人の好みと趣向を見事に分析。それらのデータを開発にうまく反映させることで、アメリカ人のフィーリングにマッチしたスポーツカーを開発することができた。流麗なフォルムと荒々しいエンジン、快適な居住空間、そして、抑えられた価格設定を実現して、69年11月に発売されるやいなや海外でも高く評価されることになったのだ。

排気量、最高馬力/回転数、ホイールベースなどが記載されているエンジンルームの型式プレートなど【写真5枚】

Vol.2、Vol.3へ続く

1973年式 日産 フェアレディ Z-L (S30)主要諸元
●全長4115mm
●全幅1630mm
●全高1285mm
●ホイールベース2305mm
●トレッド前/後1355/1345mm
●最低地上高160mm
●室内長835mm
●室内幅1390mm
●室内高1070mm
●車両重量995kg
●乗車定員2名
●最高速度190km/h
●登坂能力sinθ0.467
●最小回転半径4.8m
●エンジン型式L20型
●エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
●総排気量1998cc
●ボア×ストローク78×69.7mm
●圧縮比9.5:1
●最高出力130ps/6000rpm
●最大トルク17.5kg-m/4400rpm
●燃料供給装置横向可変ベンチュリー型×2
●トランスミッション型式前進5段オール・シンクロ後進1段
●変速比1速2.957/2速1.858/3速1.311/4速1.000/5速0.852/後退2.922
●最終減速比3.900
●燃料タンク容量60L
●ステアリング形式ラック&ピニオン式
●サスペンション前後とも独立懸架ストラット式
●ブレーキ前/後ディスク式/リーディングトレーリング式
●タイヤ前後とも6.45H-14-4PR
●発売当時価格108万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2013年10月号 Vol.159(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 フェアレディZ-L 記事一覧(全3記事)

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Photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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