3世代に渡るシビックvsカローラの戦い。グループA最小クラスでのメーカー代理戦争 |JTCC and more Vol.1|ハチマルレースモデルの超絶技巧

シビックvsカローラ。最小クラスでメーカー代理戦争が終始続いた。

       
【 JTCC and more Vol.1】

最小クラスでメーカー代理戦争終始続いたシビックvsカローラ

 ディビジョン1のスカイラインGT‐R、ディビジョン2のBMW・M3と、各クラスに絶対王者が誕生し、他車が割って入れない状況となった終盤期のグループAだったが、唯一ディビジョン3だけはシビック対カローラの対決が延々と続き、最後まで見る者を飽きさせない激戦を繰り広げていた。

 1600cc以下のツーリングカーと言えば、ヨーロッパでも当該車種が多く、最激戦区となってもおかしくないクラスだったが、実際にETCで活躍したのは日本車のAE86レビンだった。AE86はトヨタにメイクスタイトルをもたらし、トヨタ車が持つレベルの高さを示していた。その理由は明快で、この時代の量産車で4バルブDOHCを搭載する車両はAE86しかなかったからである。

 その強豪AE86をデビュー戦で破ってしまったのがシビックである。トルクフルでパンチ力のあるZC型エンジンとFF方式の組み合わせで、デビュー戦の1985年、鈴鹿300kmレースを完全制覇。予選でポールポジションを獲得すると決勝では並み居る格上車をことごとく撃破。3.5LのBMWも2LDOHCターボのスカイラインも、わずか1.6Lのシビックに歯が立たなかったのである。

 コンビを組んだ中嶋悟、中子修、両ドライバーの技量が図抜けていたこともあるが、以後、シビックはEF/EG、カローラはAE92/AE101へと進化し、両者の戦いはホンダとトヨタの代理戦争としてシリーズ終了まで続いていくことになる。

競り合うEFシビックとAE86カローラレビンなど 【写真4枚】

Vol.2、Vol.3に続く

初出:ハチマルヒーロー vol.19 2012年11月号(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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text & photo:AKIHIKO OUCHI/大内明彦

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