可変共鳴過給システムをチューンナップ! エントリー車で唯一V6エンジン搭載|1994年式 マツダ ランティス クーペ タイプX Vol.2|ハチマルレースモデルの超絶技巧

2LV6のKF‐ZE型エンジンは、最高出力170Psを発揮する。

【1994年式 マツダ ランティス クーペ タイプX Vol.2】
 
 1993年にデビューしたランティスは、その独特なエクステリアデザインが最大の特徴。4ドアクーペと呼ばれる5ドアハッチバックのほか4ドアセダンをラインナップし、国産車離れした独自性の強いデザインは特に欧州で高い評価を獲得していた。

 そして、搭載されるエンジンも個性的なエクステリアデザインに負けないものだった。1.8Lの直4のほか、2LV6のKF‐ZE型エンジンを搭載。最高出力170psを発揮するこのユニットは、マツダ定評のVRIS(可変共鳴過給システム)をチューンナップ。高回転域で大きなトルクを発生させる方向へセッティングし、常用域でのスムーズさと、高回転まで一気に吹け上がるパワーを両立。同一排気量の場合、4気筒に比べて6気筒のほうがトータルのバルブ面積を大きく取れるため、パワーアップに有利になるなど、ライバルたちが直4エンジンしか持たないのに対し、ランティスは大きなアドバンテージを得ていたのだ。

 加えて、高剛性ボディや短いオーバーハング、空力特性に優れたボディ形状といったベース車両の素性の良さもあり、多くのファンがJTCCでの好走に期待を寄せていた。

 しかし実際には、トヨタや日産のほか、BMWをはじめとする海外勢にも惨敗。開幕初年度の94年から96年のシーズン途中まで参戦するものの、結局優勝することはなかった。

 ただし、マツダならではの軽快なフットワークとパワフルで官能的な伸びを味わわせてくれるエンジンに、今でも魅了されているファンは多い。商業的にもレースでも輝かしい結果を残すことはできなかったが、隠れた名車といえる1台だろう。

Vol.3、Vol.4に続く

マツダスピードのタワーバーなど【写真3枚】

1994年式 マツダ ランティス タイプX (CBAEP) 主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4254×1695×1355
ホイールベース(mm) 2605
トレッド(mm) 1465(前後とも)
車両重量(kg) 1210
エンジン型式 KF-ZE型
エンジン種類 水冷V型6気筒DOHC
総排気量(cc) 1995
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.6
圧縮比 10.0:1
最高出力(ps/rpm) 170/7000
最大トルク(kg-m/rpm) 18.3/5500
変速比 1速 3.307/2速 1.833/3速 1.310/4速 1.030/5速 0.795/後退 3.166
最終減速比 4.388
ステアリング ラック&ピニオン式
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/60R15(前後とも)
発売当時価格 184.7万円

初出:ハチマルヒーロー vol.19 2012年11月号(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1994年式 マツダ ランティス クーペ タイプX(全4記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo:DAIJIRO KORI/郡 大二郎

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