重量配分に優れたボディのため、オリジナルでも抜群の操縦性|1986年式 三菱 スタリオン 2000ターボ GSR-Ⅲ Vol.2|ハチマルレースモデルの超絶技巧

シリウスダッシュエンジンが登場するまで、スタリオンの主力ユニットだったG63B型

       
【1986年式 三菱 スタリオン 2000ターボ GSR-Ⅲ Vol.2】
 
 さて、グループAに話を戻そう。大きな期待を背負って参戦したスタリオンは、初陣となる1985年の第5戦インターTECで、当時ディビジョン1を席巻していたボルボ240TやBMW635CSiに肉薄する速さを見せ、日本車最高位の4位を記録。続く1986年からはラリーアート・チームに高橋国光&中谷明彦というトップドライバーを迎えてフル参戦し、第3戦の筑波で初優勝。フル参戦2年目の1987年には開幕2連勝を飾った。

 ドライバーの中谷選手はスタリオンについて、「重量配分に優れたボディのため、オリジナルでも抜群の操縦性を示し、ライバルが羨むほどのグッドハンドリングに仕上げられている。素性のいいエンジンは大幅なパワーアップを可能とし、耐久戦となるグループAでもビクともしない」と語っている。それほどのポテンシャルを持っていた。

赤いヘッドカバーに誇らしげに刻まれている「ECITURBO」の文字など【写真4枚】

Vol.3、Vol.4に続く

1986年式 三菱 スタリオン 2000ターボ GSR-Ⅲ (A183A) 主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4410×1695×1320
ホイールベース(mm) 2435
トレッド前/後(mm) 1410/1390
車両重量(kg) 1260
エンジン型式 G63B型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1997
ボア×ストローク(mm) 85.0×88.0
圧縮比 7.5:1
最高出力(ps/rpm) 175/5500
最大トルク(kg-m/rpm) 25.0/3500
変速比 1速2.452/2速1.452/3速1.000/4速0.688/後退2.212
最終減速比 3.909
ステアリング ボール&ナット式
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 262.9万円

初出:ハチマルヒーロー vol.19 2012年11月号(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1986年式 三菱 スタリオン 2000ターボ GSR-Ⅲ(全4記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo: ISAO YATSUI/谷井 功

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