海外レースで活躍後に凱旋! 総合優勝3回を記録した強者|1986年式 三菱 スタリオン 2000ターボ GSR-Ⅲ Vol.1|ハチマルレースモデルの超絶技巧

スタリオンはすでにイギリスやオーストラリア、アメリカを舞台にプライベート勢がレースに参戦。そこで好成績を上げており、性能の高さは実証済みだった。

       
【1986年式 三菱 スタリオン 2000ターボ GSR-Ⅲ Vol.1】
 
 市販車と変わらないスタイリングを持つマシンが熱いバトルを繰り広げたグループA。その姿にファンは熱狂し、注目を集めた。それを見た各自動車メーカーは、続々とグループAに本格参戦するようになった。三菱もその注目度の高さに着目し、参戦を表明する。マシンに選んだのはスタリオンだ。

 スタリオンはすでにイギリスやオーストラリア、アメリカを舞台にプライベート勢がレースに参戦。そこで好成績を上げており、性能の高さは実証済みだった。この成果を見ればスタリオンでグループAを戦うことは必然で、三菱としては1971年以来となるサーキットレースへの本格復帰だけに、その期待は大きかった。

 1982年にデビューしたスタリオンは、2L直4のG63B型の自然吸気とターボでスタート。その後、自然吸気は廃止され、ターボにはインタークーラーが装着されてパワーアップ。1984年には低速トルクを確保しながらハイパワーも両立させる可変バルブを備えた〝シリウスダッシュ3×2〟エンジンを搭載したGSR‐Vを追加し、1987年には限定50台でブリスターフェンダーを装着したGSR‐VRを発売。

 そして翌年には、同様のブリスターフェンダーボディに2.6L直4ターボのG54B型エンジンを搭載した2600GSR‐VRのモノグレードとなり、このブリスターフェンダーはスタリオンの代名詞となった。なお、撮影車両の86年式GSR‐Ⅲは上級グレードという位置付け。後期型では液晶式電子メーターやステアリングオーディオスイッチなどが装備され、希少なナローボディスタリオンのなかでは人気を集めている。


1986年のグループA車両を模した取材車両のカラーリングなど【写真6枚】


Vol.2、Vol.3、Vol.4に続く


1986年式 三菱 スタリオン 2000ターボ GSR-Ⅲ (A183A) 主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4410×1695×1320
ホイールベース(mm) 2435
トレッド前/後(mm) 1410/1390
車両重量(kg) 1260
エンジン型式 G63B型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1997
ボア×ストローク(mm) 85.0×88.0
圧縮比 7.5:1
最高出力(ps/rpm) 175/5500
最大トルク(kg-m/rpm) 25.0/3500
変速比 1速2.452/2速1.452/3速1.000/4速0.688/後退2.212
最終減速比 3.909
ステアリング ボール&ナット式
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 262.9万円


初出:ハチマルヒーロー vol.19 2012年11月号(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1986年式 三菱 スタリオン 2000ターボ GSR-Ⅲ(全4記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo: ISAO YATSUI/谷井 功

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