1988年8月に500台限定で市販。 ホモロゲ最強のターボAが登場。その価格は?|1989年式 スープラ 3.0GT ターボA Vol.2|ハチマルレースモデルの超絶技巧

グループAでデビューウィン ホモロゲ最強のターボAが登場。

       
【 1989年式 スープラ 3.0GT ターボA Vol.2】

 そんな状況を打破するためにトヨタが目を付けたのが、「エボリューションモデル」だ。グループA規定のなかに、「グループA公認を受けた車両をベースに改造を施した車両を、年間500台生産すればエボリューションモデルとして公認を下す」という付則があった。これを利用して、3.0GTターボのパワーアップ版を1988年8月に500台限定で市販したのだった。



 それが3.0GTターボAだ。フロントバンパーの通称「ターボAダクト」くらいが外観上の主な変更点だが、エンジンは大幅に改良されている。タービンとインタークーラーが大型化され、さらにエアフロレス仕様となったターボAは、最高出力がベース車の240psから30psアップの270psに向上。当時最強スペックを誇るモンスターに変貌したのだ。ちなみにターボAは、このハイパワーとわずか500台という希少性もあって、いまだにファンの羨望を集めている。

 さて、このターボAでグループAの頂点に君臨しようとしたトヨタの思惑は、結果として実を結ばなかった。というのも、1988年にレギュレーションが改定されたことが大きな要因で、具体的にはターボ係数が1.4から1.7に変更された。スープラの場合、3L×1.7で5L以上として区分され、最低重量が上げられることとなったのだ。この差は大きく、最強のホモロゲモデルをもってしても、表彰台の頂点に立つことはできなかった。

Vol.3、Vol.4に続く

標準車に対して30psハイパワーの7M-GTEU型など【写真5枚】

トヨタスープラ3.0GTターボA(MA70)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4630×1745×1300
ホイールベース(mm) 2595
トレッド前/後(mm) 1470/1475
車両重量(kg) 1530
エンジン型式 7M-GTEU型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 2954
ボア×ストローク(mm) 83.0×91.0
圧縮比 8.4:1
最高出力(ps/rpm) 270/5600
最大トルク(kg-m/rpm) 36.5/4400
変速比 1速3.251/2速1.955/3速1.310/4速1.000/5速0.753/後退3.180
最終減速比 3.727
ステアリング ラック&ピニオン式
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 225/50R16
発売当時価格 405.1万円

初出:ハチマルヒーロー vol.19 2012年11月号(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 スープラ 3.0GT ターボA(全4記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo:AKIO HIRANO/平野 陽

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