マツダ大ファンのオーナーが手に入れたフロンテ360。その理由は?|サブロク紳士録|1969年式 スズキ フロンテ360 スーパーデラックス Vol.1

フロントおよびリアフェンダーの周辺が盛り上がり、車体中央が引っ込んでいるコークボトルライン。

       
【1969年式 スズキ フロンテ360 スーパーデラックス Vol.3】

 オーナーの荒井清さんはマツダ車の大ファン。ルーチェやファミリア、カペラなどを乗り継いで来た。しかもそれぞれのロータリーとレシプロを所有していたほど。

そんな荒井さんがなぜスズキを、と聞いたところ「実は最初に所有したクルマがフロンテ360だったのですよ」という答え。しかも購入時の年齢は17歳。実は52〜64年に360ccまでのクルマ限定の軽自動車免許が存在していた。しかもこの免許は16歳で取得可能。当時高校生だった荒井さんは16歳になるとすぐにこの免許を取得し、当時若者の間で人気だったフロンテ360購入のためにアルバイト。それでも資金が足りなくて父親を拝み倒して購入したのだという。

 購入当時、うれしくて北海道から九州までを走破。壊れて廃車になってしまうほど走り続けたという。そんな楽しかった頃を思い出し、7〜8年ほど前に再び同型車両を購入。印刷機械の販売・修理業を行うかたわら、コツコツと修理し、パーツを磨き、ここまで美しいクルマへと仕上げてきた。

 荒井さんの今の夢は、最初に買った時のように再び北海道から九州までを走破すること。「今度は時間をかけてゆっくりとね」とフロンテ360をいたわるような視線を向けるのだった。

1969年式 スズキ フロンテ360スーパーデラックス(LC-10)主要諸元
●全長2995mm
●全幅1295mm
●全高1330mm
●ホイールベース1960mm
●最低地上高190mm
●車両重量420kg(スタンダード)
●乗車定員4名
●登坂能力sinθ0.402
●最小回転半径3.9m
●エンジン型式FEA-Ⅱ型
●エンジン種類空冷2サイクル直列3気筒
●総排気量356cc
●ボア×ストローク52×56mm
●圧縮比6.8
●最高出力25ps/5000rpm
●最大トルク3.7kg-m/3200rpm
●変速比1速3.182/2速1.875/3速1.238/4速0.880/後退4.242
●燃料タンク容量23L
●ステアリング形式ラック&ピニオン
●サスペンション前/後コイルスプリングウイッシュボーン独立/コイルスプリングトレーリングアーム独立
●ブレーキ前/後ツーリーディング/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも4.80-10-2P
●発売当時価格37.7万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2013年12月号 Vol.160(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

RRとなったため足元のスペースが確保されているコックピットなど【写真7枚】

1969年式 スズキ フロンテ360 スーパーデラックス記事一覧(全3記事)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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