リッター当たり116psというハイスペック! 高回転&高出力化を狙って開発されたタイプR専用のB16B型 | 2000年式 ホンダ シビック タイプR・X Vol.2

ステアリングは写真のエアバッグ付きφ368mmのほか、オプションでエアバッグレスのMOMO製φ350mmも用意されていた。

       
【2000年式 ホンダ シビック タイプR Vol.2】

 97年にデビューしたEK9のシビック・タイプR、その最大の魅力はやはりエンジン。タイプR専用のB16B型は、SiRに搭載されたB16A型を基本に、インテグラ・タイプRに搭載されたB18C型のブロックや多数の専用部品を使い、高回転&高出力化を狙って開発された。

 まず、カムプロフィールはB18C型よりも広開角のハイカムを採用。インテークバルブのスプリングを楕円断面の2重スプリングにし、バルブステム径のポート内部分と傘部をスリム化。ピストンはハイコンプタイプを採用し、隆起したヘッド部の重量増は内部を削ることで解消。圧縮比を10.8へアップ(B16A型は10.4)し、フリクション対策として、スカート部分にはモリブデンコーティングが施された。コンロッドは軸間の長い専用品で、強度を高めつつシェイプし軽量化。加えてフルバランサー8ウエイトの専用クランクシャフトを採用し、高回転化に対応。また、吸排気ポートの段差をハンドメイドで研磨するなど、市販レベルを超えた本気のチューニングが施された。

 排気系は、エキゾーストマニホールドからサイレンサーまで、すべてを大径化して流量をアップ。パワーアップと心地良いサウンドを実現している。

 このような徹底したチューニングを施すことで、SiRと比較して最高出力15ps、最大トルク0.3kg‐mアップ。リッター当たり116psというハイスペックを実現したのだ。もちろん、数字では表せないフィーリングも大幅に向上しており、レーシングユニットのようなハイレスポンスを堪能できる、珠玉のエンジンに仕上げられている。

8400rpmからがレッドゾーンのタコメーターなど【写真6枚】

Vol.3に続く

シビック タイプR・X(EK9)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4185×1695×1360
ホイールベース(mm) 2620
トレッド(mm) 1480
車両重量(kg) 1090
エンジン型式 B16B型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1595
ボア×ストローク(mm) 81.0×77.4
圧縮比 10.8:1
最高出力(ps/rpm) 185/8200
最大トルク(kg-m/rpm) 16.3/7500
変速比 1速3.230/2速2.105/3速1.458/4速1.107/5速0.848/後退3.000
最終減速比 4.400
ステアリング ラック&ピニオン式
サスペンション ダブルウイッシュボーン式(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/55R15(前後とも)
発売当時価格 219.8万円

初出:ハチマルヒーロー vol.18 2012年7月号(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII/藤井元輔

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