名機4A-G型を心臓部に持つFRコンパクトスポーツのヒーロー|1985年式 トヨタ カローラ レビン 1600GTアペックス Vol.1

4A‐G型は、トヨタのツインカムエンジンを代表する名機といっても過言ではない。

       
【1985年式 トヨタ カローラ レビン 1600GTアペックス Vol.1】

 トヨタ2000GTに搭載された3M型をはじめ、18R‐G型や5M‐G型、1G‐G型など、トヨタではこれまでに数多くのツインカムエンジンをラインナップしてきた。ただ、その中でも4A‐G型は、トヨタのツインカムエンジンを代表する名機といっても過言ではない。

 長らく生産されてきた2T‐G型の後継として登場した4A‐G型は、3A型をベースにヤマハと共同開発した1・6Lのツインカムユニット。最大の特徴は、同じツインカムでも2T‐G型が1気筒あたり2バルブだったのに対し、4A‐G型では吸気側と排気側にそれぞれ2つのバルブを持つ4バルブを採用したこと。その恩恵は大きく、レッドゾーンの7700rpmまで一気に吹け上がるハイレスポンスユニットに仕上げられたのだ。また、可変吸気システム「T‐VIS」など、当時の最先端技術を搭載したこともトピックの1つ。そして、後にスーパーチャージャー仕様や5バルブ仕様に進化したことは、4A‐G型の素性の高さの表れといっていいはずだ。

 さらに、市販車はもとより、モータースポーツの世界でも優れたパフォーマンスを披露。5バルブ仕様にいたっては、フォーミュラトヨタ(フォーミュラカー)にも搭載されたほどである。それに加えてチューニングベースとしても無限の可能性を秘め、ボアアップやキャブ仕様などのメカチューンから圧倒的なパワーを誇るボルトオンターボまで、さまざまなメニューが盛んに行われてきた。そんな、名機といえる4A‐G型を搭載する代表格が、“ハチロク”の愛称で親しまれているAE86レビン&トレノだ。

Vol.2、Vol.3に続く

トヨタ カローラレビン3ドア1600GTアペックス(AE86)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4200×1625×1335
ホイールベース(mm) 2400
トレッド前/後(mm) 1365/1360
車両重量(kg) 960
エンジン型式 4A-GEU型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1587
ボア×ストローク(mm) 81.0×77.0
圧縮比 9.4:1
最高出力(ps/rpm) 130/6600
最大トルク(kg-m/rpm) 15.2/5200
変速比 1速3.587/2速2.022/3速1.384/4速1.000/5速0.861/後退3.484
最終減速比 4.300
ステアリング ラック&ピニオン式
サスペンション前/後 ストラット式/4リンク式
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/60R14(前後とも)
発売当時価格 159.1万円

初出:ハチマルヒーロー vol.18 2012年7月号(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)



当時のパッケージオプションで設定されていた、もはや必須アイテムのひとつといえる純正サイドステップなど【写真6枚】


1985年式 トヨタ カローラ レビン 1600GTアペックス(全3記事)


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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo:AKIO HIRANO/平野 陽 

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