Cd値0.36! そして軽快でコントロールしやすい操舵性|1978年式 マツダ・サバンナRX-7 GT Vol.2

ブラックで統一されたGTのインパネ。走りのイメージが強い。ステアリングはGTとLimited共通の4本スポーク。

       
【1978年式 マツダ・サバンナRX-7 GT Vol.2】

 数多くのスポーツカーを造り、日本の代表的スポーツカーメーカーだった日産が排ガス規制のクリアを目指してエンジンの出力を落とす中、SA22Cが搭載した12A型2ローターREは、当時の小型のスポーツカーとしては高出力といえる130psを発揮。しかも、軽量コンパクトなREの特性を生かすため、エンジンフードをできる限り低く抑え、エンジン搭載位置もエンジンルーム内において、できるだけ後ろに下げる「フロントミッドシップ」を実現した。それによって前後50対50という重量配分に近づけ、パワーだけでなく、軽快でコントロールしやすい操舵性を手に入れた。さらに、リトラクタブルヘッドライトの採用によって、空気抵抗係数(Cd値)0.36を実現したのだった。

 SA22Cはモータースポーツでも活躍。79年のアメリカ・デイトナ24時間レースでは、初参戦でクラス優勝を果たし、その潜在能力を見せつけ、その後も国内外のレース、ラリーに参戦し、入賞を果たしている。しかし、レースでの活躍は思わぬ悲劇を生む。SA22Cの走りのイメージを追求するあまり無理なパワーアップが繰り返され、その影響で多くの車両が廃車。良い状態で残っている車両は希少となった。

1978年式 マツダ・サバンナRX-7 GT(SA22C)主要諸元
全長4285mm
全幅1675mm
全高1260mm
ホイールベース2420mm
トレッド前/後1420/1400mm
最低地上高155mm
室内長1460mm
室内幅1360mm
室内高1030mm
車両重量1005kg
乗車定員4名
登坂能力tanθ0.72
最小回転半径4.8m
エンジン型式12A型
エンジン種類水冷直列2ローターロータリー
総排気量573×2cc
圧縮比9.4:1
最高出力130ps/7000rpm
最大トルク16.5kg-m/4000rpm
変速比1速3.674/2速2.217/3速1.432/4速1.000/5速0.825/後退3.542
最終減速比3.909
燃料タンク容量55L
ステアリング形式コラプシブルボールナット式
サスペンション前/後ストラット式コイルスプリング/4リンク+ワットリンク
ブレーキ前/後ベンチレーテッドディスク式/フィン付きドラム(L&T)式
タイヤ前後とも185/70SR13
発売当時価格144万円

初出:ノスタルジックヒーロー Vol.159 2013年10月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)


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1978年式 マツダ・サバンナRX-7 GT記事一覧(全3記事)

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photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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