オリジナルの姿のまま、日本の名車を残していく気概|1969年式 マツダ コスモスポーツ Vol.3

コスモスポーツを保管するために借りたガレージハウス。その中にいつも置かれている。隣はオーナーのもう1台の愛車、65年式トヨタスポーツ800だ。

       
【1969年式 マツダ コスモスポーツ Vol.3】

 最新のノウハウによって、10A型エンジンの性能が最大限に引き出され、コスモスポーツが本来持つ走りの魅力を体感した疋野さんは、自分の愛車にぞっこんほれ込んだようだ。

「当時、世界に名が知られていない日本の東洋工業が、世界中から注目される自動車メーカーになるために、REの開発に社運をかけた思いは、私にもよく分かります。この先人たちの知恵と技術をコスモスポーツを所有することで、改めて深く感じられたことは、とても意義のあることです」

 疋野さんは、個人の好き嫌いだけで旧車を維持しているのではなく、その先のことも考えている。

「もし私がクルマを運転するのが難しくなり、維持できなくなった時には、世界に誇れる名車を次の世代の人に引き継いでもらいたいと思っています」

 オリジナルの姿のまま、日本の名車を残していく気概は、旧車オーナー皆が持つべきものなのかもしれない。


黒のレザートップ仕様という個性的な外観。「炎天下でも車内温度が上がりにくく、旧車にお勧めですよ」という断熱フィルムなど【写真5枚】

1969年式 マツダ コスモスポーツ記事一覧(全3記事)



1969年式 マツダ・コスモスポーツ(L10B)主要諸元
全長4130mm
全幅1590mm
全高1165mm
ホイールベース2350mm
トレッド前/後1260/1250mm
最低地上高125mm
室内長870mm
室内幅1300mm
室内高990mm
車両重量960kg
乗車定員2名
最高速度200km/h
登坂能力sinθ0.553
最小回転半径5.2m
エンジン型式10A型
エンジン種類水冷2ローターロータリー
総排気量491cc×2
圧縮比9.4:1
最高出力128ps/7000rpm
最大トルク14.2kg-m/5000rpm
変速比1速3.379/2速2.077/3速1.390/4速1.000/5速0.841/後退3.389
最終減速比4.111
燃料タンク容量57L
ステアリング形式ラック&ピニオン
サスペンション前/後独立懸架コイル/半楕円形板バネ
ブレーキ前/後ディスク/リーディング・トレーリング
タイヤ前後とも155HR15
発売当時価格158万円

初出:ノスタルジックヒーロー Vol.159 2013年10月号(記事中の内容は本誌掲載記事を再編集したものです)

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photo: TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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