「私が中学生だった頃、宇宙船のようなかたちのクルマが、家のそばの道をスーッと走っていたんです」憧れの「宇宙船」を手に入れた喜び|1969年式 マツダ コスモスポーツ Vol.2

オーナーがお気に入りのクラシカルなレイアウトのインストルメントパネル。大きなスピード&タコを中心とした8連メーターだが、一番左のマップランプの位置に時計を移し、元時計の場所には油圧計が組み込んである。

       
【1969年式 マツダ コスモスポーツ Vol.2】

「私が中学生だった頃、宇宙船のようなかたちのクルマが、家のそばの道をスーッと走っていたんです。『すごいかたちをしている』と衝撃を受けました。それがコスモスポーツとの初めての出合いでしたね」

 と、取材車両のオーナー、疋野繁さんは語り始めた。小学生の頃からクルマに興味を持ち、310ブルーバードやトヨタスポーツ800などに憧れていたという。そんな疋野少年の目の前に突如現れたコスモスポーツ。「大人になったら、ぜひ自分で買って乗りたい」と、強く思ったそうだ。

 それから長い年月が過ぎた。国産車や輸入車など何台ものクルマを乗り継いだ疋野さんは、昨年、長年の夢を果たそうと、コスモスポーツ購入に動き出した。上質な個体を手に入れたいと思い、RE搭載車の整備で定評のある群馬のガレージスターフィールドに相談。そして黒のレザートップを持つ1台に巡り合うことができた。

「とくにエンジンは、しっかり整備してもらいました。昔、ファミリアロータリークーペに乗ったことがありますが、当時のREの印象と比較して、現代の技術やパーツを駆使したことで、トルクもあって回転の上がり方もスムーズ。スタートも格段にしやすくなっています。おそらく当時のエンジンより、調子がいいと思いますよ」

良好な状態に保たれている千鳥格子の純正シートなど【写真5枚】

Vol.3に続く

1969年式 マツダ コスモスポーツ記事一覧(全3記事)


1969年式 マツダ・コスモスポーツ(L10B)主要諸元
全長4130mm
全幅1590mm
全高1165mm
ホイールベース2350mm
トレッド前/後1260/1250mm
最低地上高125mm
室内長870mm
室内幅1300mm
室内高990mm
車両重量960kg
乗車定員2名
最高速度200km/h
登坂能力sinθ0.553
最小回転半径5.2m
エンジン型式10A型
エンジン種類水冷2ローターロータリー
総排気量491cc×2
圧縮比9.4:1
最高出力128ps/7000rpm
最大トルク14.2kg-m/5000rpm
変速比1速3.379/2速2.077/3速1.390/4速1.000/5速0.841/後退3.389
最終減速比4.111
燃料タンク容量57L
ステアリング形式ラック&ピニオン
サスペンション前/後独立懸架コイル/半楕円形板バネ
ブレーキ前/後ディスク/リーディング・トレーリング
タイヤ前後とも155HR15
発売当時価格158万円

初出:ノスタルジックヒーロー Vol.159 2013年10月号(記事中の内容は本誌掲載記事を再編集したものです)

関連記事:コスモスポーツ記事一覧

photo: TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

RECOMMENDED

RELATED

RANKING