ベレットGTRを当時の王道仕様に パート1 当時のレースカーをイメージして、ステッカーなどで雰囲気を再現した、こだわりの1台

1969年、GTRといえばスカイラインが定番だった当時、もうひとつのGTRが存在した。

それがクーペボディに直列4気筒DOHCエンジンを積んだ、ベレット1600GTRだ。
当時のレースカーをイメージして、ステッカーなどで雰囲気を再現した、こだわりの1台。

 いすゞ自動車を代表する乗用車が1963年6月に誕生したベレットだ。セダンでデビューした後、64年4月に粋な2ドアクーペが加えられた。日本で初めてGTの名を冠したスカイラインGTに先んじて発売され、GTの市販第1号となったベレット1600GTである。卓越した動力性能とキビキビしたハンドリングを持つベレットGTは、走り屋たちを魅了した。レースでも豪快な走りを見せつけている。

 だが60年代後半になると、パワー競争が激化し、ファミリーカーにさえSOHCエンジンが積まれるようになった。当然、高性能を誇示するスポーティーカーは、DOHCエンジンにソレックス40PHHキャブを組み合わせて搭載している。ベレット1600GTも69年秋に慣れ親しんだOHVエンジンを廃し、SOHCエンジンを積んだ。それだけではない。イメージリーダーとして1600GTR(カタログではGTタイプR)を設定した。 


本文にもあるように、ボディのオールペイント時にはオレンジの色調をオーナーのこだわりで深めに調整している。フロントフェンダーに貼られているGT-Ⅱのステッカーは、レースの参加クラスを表すもの。特徴的な赤ラインの入ったフロントグリルが際だつGTR。本来イエローのフォグが装着されているが、取材車両ではオーナーが以前乗っていたトライアンフTR4のものを付けている。




一般にベレット1600 GTRと呼ばれているが、カタログ上の表現では1600 GTタイプRということになっている。そのためボディに装着されているエンブレムが別々に存在。「type R」のエンブレムにはチェッカーフラッグをあしらってあり、レースを意識したクルマであったことを示している。ドア後ろのクオーターパネルには、車名のエンブレムが付く。


横長のテールランプまわりはブラックアウト化され、スパルタンな雰囲気が漂う。この後、71年10月のマイナーチェンジで意匠変更される。

掲載:ノスタルジックスピード 2014年11月 Vol.005 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

TEXT : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 PHOTO : MAKOTO INOUE/井上 誠

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