エンジンもブレーキもカスタマイズ! 安心してアクセル全開にできるPGC10に仕上がった|1970年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10) Vol.3

リア回り関しては、当時のままでエンブレムも健在だ。

       
【1970年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10) Vol.3】

 当時は、GT‐Rのチューニングといえば、港区三田にあったスポーツコーナーで行うのが定石。このハコスカのオーナーの田中さんも足繁く通い、当時はセミチューンと呼ばれたピストンと300度のLカム、さらにワークス仕様のチタンコンロッドを組み込み、キャブはソレックス44PHHという仕様だったそうだ。

 1983年にボディを全塗装した後、エンジンのオーバーホールをどこで行うか思案した結果、19年前にプロテックの評判を耳にし、依頼することにした。

「プロテックの袖本さんは仕事が丁寧で、エンジンはそれまでで一番好調になった。なので、彼にまかせてエンジンや足回りなどもチューニングしてもらって満足しています」と田中さん。

エンジンは、当時のハイカムやチタンコンロッドを生かしつつ、φ82.5mmのハイコンプピストン、各部バランス取り、ウエーバー45DCOE、タコ足などが新たに組み込まれフルチューン。さらに、当時のレース用足回りをオーバーホールし、ブレーキはブレンボ製のF3用を装着。安心してアクセル全開にできるPGC10に仕上がっていて、ワンオーナーならではの風格と快音ととともに、走り続けている。


1970年8月に購入し、ワンオーナーで乗り続けられたPGC10。その間にはいろいろなトラブルもあったようで、フロントグリルは丸ごと盗難に遭ってしまい、しかたなくGT用を装着しているため「GT-R」のエンブレムは付いていない(オーナーはそれほど気にしているようではない)。リア回り関しては、当時のままでエンブレムも健在だ。


ボンネットとトランクはFRP製に変更している。また、31年前にオールペンしており、雨でも気にせず乗ったりするせいで、ところどころ浮きサビが見られるが、ボディやフレームの状態は良好とのこと。足回りは前後とも当時のレース用サスを装着し、絶妙なバランスでローダウンしている。


ノーマル然としたインテリアで目に付くのは、かなり年期の入ったMOMO製のステアリングで、これが田中さんのお気に入り。


リアシートが取り外されているが、サビやクサリはない。フロアには前席のハーネスが取り付けられている。4点式ロールバーは当時の社外品だ。


助手席側のタッシュボードの木目部分には「PMC・S」のエンブレムが貼られている。


助手席足元のキックボードには、永井電子製ウルトラMDIを装着。始動性と低中回転域のもたつきが解消されたそうだ。


GT-Rの走りを楽しむため、ブレーキも強化。ブレンボのF3用キャリパーにφ280mmローターをプロテックで装着。足回りには当時のレース用が組み込まれている。

1970年式 日産スカイライン 2000 GT-R(PGC10)主要諸元
●エクステリア:FRP製ボンネット/トランクリッド
●エンジン:プロテックS20型改/ボアφ82.5mm鍛造ハイコンプピストン、ワークスチタンコンロッド、L300度カム(10mmリフト)、フルバランス取り、ワンオフオイルキャッチタンク
●吸排気系:ウエーバー45DCOE9、6-2タコ足、ステンレスマフラー(デュアル)
●点火系:永井電子製ULTLA MDI
●冷却系:大容量ラジエーター、オプションオイルクーラー
●駆動系:オプションレース用クラッチ、KPGC110用5速ミッション、R200(ファイナル4.875)
●足回り:オプションレース用サス20kg/mm
●ブレーキ:フロントブレンボ4ポットキャリパー(F3用)&φ280mmローター(2ピース)
●タイヤ:ブリヂストン・ポテンザRE555 F:185/60R14 R:195/60R14
●ホイール:RSワタナベ マグ 14インチ
●内装:MOMOステアリング、4点式ロールバー、リアシートレス、シンプソン製4点式ハーネス、追加メーター(油温、油圧、水温)

初出:ノスタルジックスピード 2014年11月 Vol.005 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

助手席側のタッシュボードの木目部分に貼られた「PMC・S」のエンブレムなど【写真8枚】

1970年式 日産 スカイライン 2000 GT-R記事一覧(全3記事)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Motosuke Fujii/藤井元輔

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