ドライサンプ化の効能は低重心化だけではない! S20型の弱点を解消するために|1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10) Vol.2

最速のPGC10を目指す!

       
【1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10) Vol.2】

 サーキットを攻めて走るうえで武器となるのが、オイル潤滑方式のドライサンプ化だ。

 一般的にドライサンプ化のメリットは、エンジン本体を低い位置に搭載し、低重心化できるといわれているが、S20型エンジンの場合は、サーキットのように極端な旋回を強いられるコースを走ると、独特なオイルパン形状により、オイル吸い上げが安定しなくなるという致命的欠点を持つ。最悪の場合、8000rpmオーバーの高回転域でオイル切れを起こし、エンジンブローとなる恐れがある。これを解消するためには、オイルの供給を安定させるドライサンプ方式が不可欠とオーナーの渡辺さんは考えた。

 渡辺さんのエンジンでは、ニスモよりリリースされていたFJ型エンジン用3ステージポンプを、ブロックのタコ足側に外付けマウントし、ベルトで駆動する方式を採用。オイルパンはアルミ削り出しでワンオフし、オイルタンクは助手席後方にセットしている。

 取材した9月上旬現在、エンジン完成直後で、まだ「慣らし」も終わっていなかっため、撮影現場への移動の際も3000rpmまでしか回さなかったが、オーナーでなくてもアクセル全開でのパワーがどれくらい変貌を遂げたか、期待せずにはいられない。

Vol.3、Vol.4に続く


まさに前人未踏のチューニング領域に足を踏み入れていく。今、一番ホットに進化した4ドアGT-Rだ。


エンジンルームの右前方に装着されているのはブローバイキャッチタンク。ヘッドとブロックからのブローバイガス(未燃焼の混合気)を集めるためのものだ。


フロントスタビはARC製で、取り付け位置をストラット上部に変更。ピロボール式のテンションロッドなど、足回りのチューニングは渡辺さんの経験を基に煮詰められた。


アルフィンカバーを装着したR200に、クスコ製のLSDを組み込んでいる。ドライブシャフトはZ31用の等速ジョイントを流用。ショックはアラゴスタ製で、ロアワームはキャンバー角とトー角を調整できるように加工してある。


S15シルビア用のニスモ製6速ミッションを搭載。HPIによってギアの強度を高めるWPC加工が施された強化タイプだ。チタンマフラーの集合部も美しい仕上がり。


チタン板を丸めて製作されたφ75mmのワンオフマフラー。φ50mmのデュアルからφ75mmのシングルとなり、出口はφ50mmのデュアルとなる。後方のサイレンサー直前まで、チタン独特の青い焼け色が付いている。


ダッツンコンペステアリングにつながるステアリングコラムは、延長タイプのボスとインパネの真下にスペーサーをかませ、低い位置に調整。電動パワステの恩恵で、すえ切りも楽々!!

1969年式 日産スカイライン 2000 GT-R(PGC10)
●エクステリア:リスタード製FRP製ボンネット/フロントフェンダー/前後ドア/トランクリッド
●エンジン:アール・ファクトリーS20型改2.6L仕様(2582cc)/ボアφ85.5mm×ストローク75mm/カムギアトレーン/鍛造ピストン/I断面ロングコンロッド/フルカウンタークランク/スリーブ/300度カム/RB26型用バルブ/ヘッド加工/FJ型用3ステージドライサンプ仕様/ワンオフアルミ削り出しオイルパン、ATIスーパーダンパープーリー、超々ジュラルミン製軽量バックプレート
●吸排気系:ソレックス50PHH、アール・ファクトリーφ42.7mm等長タコ足(6-2)/φ75mmチタンマフラー(出口φ50mmデュアル)
●点火系:和光テクニカル製CDI、マロリー製デスビ、NGK製レーシングプラグ
●冷却系:スギタラジエーター、2連電動ファン、HPI製オイルクーラー
●駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、ニスモ6速(HPIバージョン)、R200+クスコLSD(ファイナル4.6)、Z31用等速ジョイント
●足回り:前後アラゴスタ製車高調(F:9kg-m/R:20kg-m)、フロントARC製スタビ、ピローボールパイプアーム、リア調整式アーム、ワンオフリアスタビ
●ブレーキ:フロントAPレーシング4ポットキャリパー&φ300mmローター/リアDR30用キャリパー&S12シルビア用ディスク
●タイヤ:(街乗り用)F:ブリヂストン・スニーカー195/50R15、R:アドバンA050 215/50R15(サーキット用)F:アドバンA050 205/50R15/R:215/50R15
●ホイール:RSワタナベ F:15×7J/R:15×8.5J(サーキット用はマグ)
●内装:レカロ製SP-Gフルバケットシート(運転席)、ダッツンコンペステアリング、サイトウロールケージ製6点式ロールケージ、TAKATA製4点式ハーネス(運転席)、ウィランズ製4点式ハーネス(助手席)、大森製タコメーター、亀有製燃圧/油圧/油温/水温計、INNOVATE A/F計、レース用ワイドミラー
●その他:ODYSSEY製乾式バッテリー、ATL製燃料タンク(45L)、コネクタータンク、燃料ポンプ(ニスモ電磁ポンプ、FJ型用、ボッシュ製の3基)、常進技研製アクリルウインドー

初出:ノスタルジックスピード 2014年11月 Vol.005 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

HPIによってギアの強度を高めるWPC加工が施された強化タイプのS15シルビア用のニスモ製6速ミッションなど【写真7枚】

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Motosuke Fujii/藤井元輔

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