L型じゃない! 2.3L、2.5Lとボア&ストロークアップしたどり着いた2.6LのS20型改|1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10) Vol.1

外装はノーマル派ながら、2013年に軽量化のため、ボディをリニューアル。ボンネット、フェンダー、前後ドア、トランクリッドをリスタード製のFRPに変更し、フロント以外のウインドーは、常進技研製のアクリル製に交換。かなり軽量化されているはずだ。

【1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10) Vol.1】

 GT‐Rに積まれる珠玉のエンジン「S20型」をベースにしたチューニングの歴史は、20年以上前から続いている。しかも、ここ最近、サーキットでタイムアタックを繰り広げる「走りに積極的なオーナー」の増加に伴い、加工技術やパーツの開発がハンパないスピードで進歩している。

 GT‐R特集の栄えあるカバーを飾った渡辺哲也さんの1969年式PGC10、4ドアセダンも、富士スピードウェイや筑波サーキットのコースで時間の壁と闘っている1台だ。最新のスペックで注目すべきは、なんといっても2.6L化されたS20型エンジンのチューニングと、オイル潤滑方式にドライサンプを採用したことだ。チューニングに関してエンジンを担当した栃木県宇都宮市の「アール・ファクトリー」の相原達也代表に聞いてみた。

「S20型エンジンのチューニングに関して、ウチでは2.3Lからスタートし、2.4L、2.5Lと少しずつ排気量を上げてきました。いきなり排気量を上げなかったのは、やはり貴重なS20型エンジンを壊してしまっては取り返しがつかないので、十分な安全マージンを考えた結果でした。単純に1万rpmまで回すだけだったら、2Lのままのショートストロークのほうが有利ですが、そこまで回すとトラブルが起きる危険性が高くなります。その手前、8000rpmぐらいまでを有利に使おうとすると、ある程度ストロークのあるエンジンのほうがいい。そんな理由とパワーを上げる目的から、S20型エンジンの排気量アップに長らくトライしているんです。
2.6L化の中身は、ボアφ85.5mmでピンハイトを極力低く収めたピストン、75mmのストロークを実現させるフルカウンタークランクシャフト、I断面コンロッド、ライナーなどで、すべてオリジナルです」と語ってくれた。

焼け色が美しいステンレス製のタコ足は、アールファクトリーのオリジナル。φ42.7mmの等長タイプで、曲げの美しさと焼け具合が、排気効率のよさを表している。

Vol.2、Vol.3、Vol.4に続く


2.6L化に対応するべく、キャブレターはソレックス50PHHを選択。ここでもカーボンのロッドを使っている。組み上がったばかりのため、ファンネルは75mmを装着。セッティングはこれからだ。


定評のあるスギタラジエーター製の3層アルミラジエーターに、電動ファンを2基がけ。白いタンクはリザーバーで、青いボックスは和光テクニカルのCDIだ。カムギアトレーンを組み込んでいるため、チェーンテンショナーはなく、ボルトを挿入している。



サイトウロールケージ製の2名乗車タイプの6点式をベースに、サイドバーなどが追加されたロールケージが組み込まれている。レース用ワイドミラーはハコスカの定番アイテム。ドアヒンジ付近に取り付けられている赤いレバーは、ブレーキの前後バランスを調整するプロポーショニングバルブのレバーだ。


運転席はサーキット走行を想定したレカロのSP-Gフルバケットシート+タカタの4点式ハーネスでしっかりとホールド。助手席は純正シートにウィランズだ。


純正タコメーターには、6000rpmにイエロー、7000rpmにレッドのマーキングがされている。ステアリングコラムの上には大森製のタコメーターを追加。2.6L化により、8000rpmまででピークパワーが楽しめるようになるんだとか。


1969年式 日産スカイライン 2000 GT-R(PGC10)
●エクステリア:リスタード製FRP製ボンネット/フロントフェンダー/前後ドア/トランクリッド
●エンジン:アール・ファクトリーS20型改2.6L仕様(2582cc)/ボアφ85.5mm×ストローク75mm/カムギアトレーン/鍛造ピストン/I断面ロングコンロッド/フルカウンタークランク/スリーブ/300度カム/RB26型用バルブ/ヘッド加工/FJ型用3ステージドライサンプ仕様/ワンオフアルミ削り出しオイルパン、ATIスーパーダンパープーリー、超々ジュラルミン製軽量バックプレート
●吸排気系:ソレックス50PHH、アール・ファクトリーφ42.7mm等長タコ足(6-2)/φ75mmチタンマフラー(出口φ50mmデュアル)
●点火系:和光テクニカル製CDI、マロリー製デスビ、NGK製レーシングプラグ
●冷却系:スギタラジエーター、2連電動ファン、HPI製オイルクーラー
●駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、ニスモ6速(HPIバージョン)、R200+クスコLSD(ファイナル4.6)、Z31用等速ジョイント
●足回り:前後アラゴスタ製車高調(F:9kg-m/R:20kg-m)、フロントARC製スタビ、ピローボールパイプアーム、リア調整式アーム、ワンオフリアスタビ
●ブレーキ:フロントAPレーシング4ポットキャリパー&φ300mmローター/リアDR30用キャリパー&S12シルビア用ディスク
●タイヤ:(街乗り用)F:ブリヂストン・スニーカー195/50R15、R:アドバンA050 215/50R15(サーキット用)F:アドバンA050 205/50R15/R:215/50R15
●ホイール:RSワタナベ F:15×7J/R:15×8.5J(サーキット用はマグ)
●内装:レカロ製SP-Gフルバケットシート(運転席)、ダッツンコンペステアリング、サイトウロールケージ製6点式ロールケージ、TAKATA製4点式ハーネス(運転席)、ウィランズ製4点式ハーネス(助手席)、大森製タコメーター、亀有製燃圧/油圧/油温/水温計、INNOVATE A/F計、レース用ワイドミラー
●その他:ODYSSEY製乾式バッテリー、ATL製燃料タンク(45L)、コネクタータンク、燃料ポンプ(ニスモ電磁ポンプ、FJ型用、ボッシュ製の3基)、常進技研製アクリルウインドー

初出:ノスタルジックスピード 2014年11月 Vol.005 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

φ42.7mmの等長タイプで曲げの美しさと焼け具合が排気効率のよさを表しているアールファクトリーのオリジナルのステンレス製タコ足など【写真7枚】

1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R記事一覧(全4記事)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Motosuke Fujii/藤井元輔

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