「クラッチ大丈夫?」って言われた理由は? φ32mmの小径ステアリング! 走り屋仕様のワンエイティに乗るのは沖縄出身の女子!|180SXを愛する女性オーナー|ハチマル女子会180SX Vol.2

ちなみにリトラクタブルライトは片側ずつ格納するキットを搭載。片目ですねと聞くカメラマンに毅然と「ウインクです」と答えるオーナー。

       
【ハチマル女子会180SX Vol.2】

 フルエアロにP‐1レーシングホイール、エアクリーナーに太いマフラーとまさに走り屋仕様の180SX。このクルマに乗るオーナーは女性のオーナーだ。購入するときは親はもちろん、一緒に見に行った友人も反対する中、かたくなに購入を主張。本人いわく「ひとめぼれ以外に言葉が見つからない」のだそうだ。でもクルマを好きになる時というのは、大概こうしたもの。

 しかし後悔はすぐにやってきた。走り出す直前にショップの店員からの「クラッチ大丈夫?」という問いに対し、「大丈夫です。私マニュアル免許持ってますから」と明るく答えた豊里さん。いざ前に進もうとしても進まない。その理由は強化クラッチ。店員に訊ねられた言葉の意味が「強化クラッチだけど大丈夫?」という意味だったことに気がついたのは、店から自宅へとたどり着き、上り坂をバックで入れる駐車スペースへの車庫入れしている最中だった。

 免許取り立ての女子には手ごわいクルマだったが、オイル、タイヤ、バッテリーの交換も自分で行い、毎日のように乗っていると愛情は深まる。事故で廃車寸前までつぶれたが、廃車になどできない相談だったのだ。

 幸い親身になってくれるショップに出合い、4カ月後には元通りになって帰ってきた。完全につぶれていたエンジンルームの前半分は、他のS13からのパーツを流用。フレームまではつぶれていなかったが、アライメントを取り直し、ついでにヤレていたボディは板金してオールペンを行った。

 ここまで大事にするオーナーの態度に家族も態度を軟化。「とりあえず好きにしなさいみたいな感じ」にはなったという。

 最初のクルマであり、6年間付き合ってきたクルマである180SXを「唯一無二のかけがえのない相棒」と呼ぶ彼女には、可愛らしい外見とは違う頼もしさが垣間見えた。


ちょうど1年前、この180SXは廃車寸前の状態にあった。


ホイールはBuddy club P-1レーシングの17インチ。ブロンズカラーがお気に入りだ。ちなみにタイヤはフェデラルの595RS-Rで、サイズは前が215/45R17、後が235/45R17。


なぜか購入時にはNA用マフラーが装着されていた。これは180SXを愛する彼女へ、友人がプレゼントしたターボ用ワンオフマフラー。グーが入る、およそ女性へ贈るものとしては最もふさわしくないであろうプレゼントの1つだ。


エンジンルーム内の自慢はパイピング。実はタイプX仕様で、このクルマはタイプSをベースにして過給器を後付けしたものだった。そのためエンジンルーム内で各パーツが複雑に交差しており、放熱面でもあまり良くない状態であった。そこでレストア時に取り回しを工夫し、ワンオフのパイピングによって吸気と排気の抜けを修正している。


自作のバイザーカバー。体育会系男子のイメージの強いジュリアスのエアロパーツを装着した外装とは違い、内装は女の子らしい工夫を行っている。特に自分で作ったというカバー類は女子力が高いアイテム。


こちらも自作のカバーだ。


RP25グリップスポーツペダルセット(MT用)。アルミ製で軽く、コンパクトで滑りにくいので、コントロールしやすいペダルだ。

掲載:ハチマルヒーロー vol.17 2012年 1月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

タイプSをベースにして過給器を後付けエンジンルームや、自作したバイザーカバーやシフトカバーなど【写真8枚】

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Makoto Inoue/井上 誠

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