ぐしゃぐしゃにつぶれていたフロントノーズ「廃車寸前でも大切なクルマだから復活させました!」|180SXを愛する女性オーナー|ハチマル女子会180SX Vol.1

彼女の180SXへの深い愛情は必見だ。

       
【ハチマル女子会180SX Vol.1】

 ちょうど1年前、この180SXは廃車寸前の状態にあった。ハッキリ言うと、直すより買い替えたほうが安くつくほど大破していた。ちょっとした不注意で起きた事故によってフロントはぐちゃぐちゃ。しかし幸いなことにオーナーである彼女にケガはなく、相手にいたってはドライバーはもちろん、クルマにもキズひとつ付かなかった。「180SXが全てを受け止めてくれたから無傷だったんだ」と考えた彼女は、このまま廃車にしたくないと考えた。

 周囲が反対する中、それを押し切って修理することに決めた。実はここまで意地になったのは2回目のこと。1度目は180SXの購入時。地元を乗り回すのに便利なジープに乗りたいと、当時19歳の彼女はマニュアル免許を取得したばかり。シルビアオーナーの話を聞いているうちにS13が欲しくなった。そこから探して見つけたのが、この180SX。フルエアロにP‐1レーシングホイール、エアクリーナーに太いマフラーと、まさに走り屋仕様。

 親はもちろん、一緒に見に行った友人も反対する中、かたくなに購入を主張。本人いわく「ひとめぼれ以外に言葉が見つからない」のだそうだ。でもクルマを好きになる時というのは、大概こうしたもの。

 しかし後悔はすぐにやってきた。走り出す直前にショップの店員からの「クラッチ大丈夫?」という問いに対し、「大丈夫です。私マニュアル免許持ってますから」と明るく答えた彼女。いざ前に進もうとしても進まない。その理由は強化クラッチ。店員に訊ねられた言葉の意味が「強化クラッチだけど大丈夫?」という意味だったことに気がついたのは、店から自宅へとたどり着き、上り坂をバックで入れる駐車スペースへの車庫入れしている最中。

 免許取り立ての女子には手ごわいクルマだったが、オイル、タイヤ、バッテリーの交換も自分で行い、毎日のように乗っていると愛情は深まり、今では手放せない愛車となった。

Vol.2へ続く


1年前はぐしゃぐしゃにつぶれていたフロントノーズ。純正ボディカラーのブルーイッシュシルバーはそのままに見事甦った。ちなみにリトラクタブルライトは片側ずつ格納するキットを搭載。片目ですねと聞くカメラマンに毅然と「ウインクです」と答えるオーナー。


事故で原形が残っていなかったラジエーターは新品に交換。本人いわく「ケガの功名?」。う〜ん、ちょっと違う。


お気に入りのクリアタイプのリアランプカバー。撮影時は前日の雨の影響で曇りが発生し、悲しむ。


カメラマンが小さい小さいと連呼したφ32mmのステアリング。それに対して「この大きさが使いやすいんです」と強く主張する。体の大きさには比例しているのだが……。


強化クラッチやφ32mmの小径ステアリングを使いやすいと言う。その小さな手で、日々のメンテナンスからパーツ交換までを自在に行ってる。


ここまで大事にする彼女の態度に家族も態度を軟化したという。

掲載:ハチマルヒーロー vol.17 2012年 1月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

純正ボディカラーのブルーイッシュシルバーはそのままに見事甦った1年前はぐしゃぐしゃにつぶれていたフロントノーズなど【写真7枚】

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Makoto Inoue/井上 誠

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