「ターボC」って通称だったの!? その由来とは・・・|1984年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ インタークーラー RS-X Vol.2

インタークーラーが追加され 205psを誇った最強の“ターボC”

       
【1984年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ インタークーラー RS-X Vol.2】

1982年5月に筑波サーキットで開催されたシルエットフォーミュラに、シルビア、ブルーバードと並んで、スカイラインがサーキットに復活した。エンジンはLZ20B型というレース専用の4気筒ターボが搭載されており、スカイラインRSにもターボが搭載されることを暗示するかのようであった。

 1983年2月、国産初のターボ付き4バルブDOHCとなるFJ20ET型エンジンを搭載した「2000ターボRS」が登場。歴代スカイラインの中で、190psという最もパワフルなエンジンを搭載していたため、「史上最強のスカイライン」というキャッチコピーが使われ、一躍脚光を浴びることになった。

 さらに、1983年8月のマイナーチェンジによりグリルレスの「鉄仮面」が登場。翌84年2月には、FJ20ET型エンジンに空冷式インタークーラーをプラスした、通称RSターボCと呼ばれた「2000ターボインタークーラーRS/RS‐X」が登場した。これにより最高出力は205psとなり、当時のハイパワー競争の頂点を極めたのだ。

 ちなみに、「ターボC」という通称は、耐久レースで活躍していたグループCマシンの「スカイライン・ターボC」と、インタークーラーの高性能な走り、クールな大人の走りイメージから名付けられたもので、正式名称ではない。

 今回紹介する中川雅智さんも、そんな「鉄仮面ターボC」に憧れていた1人。2006年に、修理屋さんで雨ざらしになってさみしそうに放置されていたガンメタ2トーンのターボCを手に入れ修復したという。

Vol.3に続く


雨ざらしで放置されていた鉄仮面ターボCが、見事に復活。18インチホイールを履くため、リアフェンダーは微妙にたたき出されている。


レーシング・スポーツを表す「RS」のエンブレムが左右のフェンダーに装着される。GT-Rの赤いGTバッジと同じ配色だ。


中川さんによるドライカーボン製のマフラーエンドは試作品。スラッシュカットになっていて、スパルタンなイメージにピッタリ。


シートはレカロSRⅢイモラを前席左右に装備。


センターコンソールのBLITZ製追加メーターは、左から水温、油温、油圧、ブーストが並ぶ。赤いボタンは各メーターの最高値を確認するピークホールド用だ。


2011年11月にオーバーホールしたFJ20型エンジン。ヘッドカバーやサージタンクは、純正は赤い結晶塗装だが、あえて黒の結晶塗装を施す。エンジンは、クランクのバランス取りやハイカムなどを組み込み、レスポンスの良さを狙って2L仕様としている。

日産 スカイラインHT 2000ターボIC RS-X(DR30)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4620×1675×1385
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1420/1410
車両重量(kg) 1250
エンジン型式 FJ20ET型
エンジン種類 直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ
総排気量(cc) 1990
ボア×ストローク(mm) 89×80
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 205/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 25/4400
変速比 1速3.321/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.838/後退3.382
最終減速比 4.111
ステアリング リサーキュレーティングボール
サスペンション(前/後) ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 205/60R15 89H
発売当時価格 287.9万円

初出:ハチマルヒーロー vol.17 2012年 1月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

試作品のドライカーボン製のマフラーエンドなど【写真7枚】

1984年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ インタークーラー RS-X記事一覧(全3記事)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Ryotarow Shimizu/清水良太郎

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