修理屋さんで雨ざらしになってさみしそうに放置されていた「ターボC」|1984年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ インタークーラー RS-X Vol.1

18インチホイールを履くため、リアフェンダーは微妙にたたき出されている。

       
【1984年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ インタークーラー RS-X Vol.1】

サーキットからスカイラインが姿を消し、10年の月日が過ぎようとしていた頃、栄光のGT‐Rの復活を望む声が日増しに強くなってきていた。そんな中、1981年に登場したのが、6代目のR30スカイラインだ。

 8月のデビュー当初は、6気筒のL型エンジンを搭載するGT系と、4気筒のZ型エンジンを搭載するTIのラインナップとなっていた。そして、デビューから2カ月後の10月、待望の4バルブDOHCヘッドを持つFJ20E型エンジンを搭載したRSがデビュー。

 S20型エンジン以来、久々の高性能DOHCエンジンではあったが、期待したGT‐Rの復活ではなかった。というのも、GTを名乗るには6気筒エンジンでなければいけなかったのだ。そのため、それまでのスカイラインにはない新しいRSという名前が付けられた。その由来は、「レーシング・スポーツ」を意味するネーミングであったが、期待されたレースへの復活は、さらに半年後のことになるのだった。

 1982年5月に筑波サーキットで開催されたシルエットフォーミュラに、シルビア、ブルーバードと並んで、スカイラインがサーキットに復活。エンジンはLZ20B型というレース専用の4気筒ターボが搭載されており、スカイラインRSにもターボが搭載されることを暗示するかのようであった。

Vol.2、Vol.3に続く


元は修理屋さんで雨ざらしになってさみしそうに放置されていたという。


1983年8月のマイナーチェンジによって登場したグリルレスの「鉄仮面」。ボンネットの先端にはスカイラインの「S」をモチーフにしたエンブレムが装備されている。


メーターパネルには、左からブースト、燃料、スピード、タコ、水温計が並ぶ。スピードメーターは、MOTOR TREND製の240km/hフルスケールに変更されている。


2011年11月にオーバーホールしたFJ20型エンジン。ヘッドカバーやサージタンクは、純正は赤い結晶塗装だが、あえて黒の結晶塗装を施す。エンジンは、クランクのバランス取りやハイカムなどを組み込み、レスポンスの良さを狙って2L仕様としている。


前置きのHKS製インタークーラーを装備し、冷却化や吸入効率をアップ。


HKS製のサクションパイプは黒く塗装している。エアクリーナーはM’sのK&N製を装着。

日産 スカイラインHT 2000ターボIC RS-X(DR30)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4620×1675×1385
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1420/1410
車両重量(kg) 1250
エンジン型式 FJ20ET型
エンジン種類 直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ
総排気量(cc) 1990
ボア×ストローク(mm) 89×80
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 205/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 25/4400
変速比 1速3.321/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.838/後退3.382
最終減速比 4.111
ステアリング リサーキュレーティングボール
サスペンション(前/後) ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 205/60R15 89H
発売当時価格 287.9万円

初出:ハチマルヒーロー vol.17 2012年 1月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

元は修理屋さんで雨ざらしになってさみしそうに放置されていたという1台の仕上がった写真など【写真7枚】

1984年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ インタークーラー RS-X記事一覧(全3記事)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Ryotarow Shimizu/清水良太郎

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