グロリアスーパー6の高級感をそのままに商用車化された高性能ステーションワゴン|1965年式 プリンス グロリア6 ワゴン Vol.1

スーパー6に準じているが、メッキモールの一部を省くなど、機能性を追求してシンプルにした。65年2月には,メッキを増やした5ナンバーワゴンのグロリア6エステート(W41A-1型)が加わる。

       
【1965年式 プリンス グロリア6ワゴン Vol.1】

 プリンス自動車(富士精密工業)のフラッグシップとして企画され、送り出されたのがグロリアである。初代モデルはスカイラインをベースに開発された。本当の意味で高級車と呼べる存在になるのは、1962年9月に発表された2代目のS40D‐1型グロリアからだ。伸びやかなフラットデッキスタイルを採用し、ボディサイズも小型車枠いっぱいまで延ばしている。

 プリンス自動車が威信をかけて開発した2代目グロリアは、新設計の直列6気筒SOHCエンジンを積んで華々しいデビューを飾る予定だった。が、開発の途中で1862ccのG2型直列4気筒エンジン搭載車を先行して発売するように計画を変更している。

 S40系グロリアは、竣工したばかりの村山工場のラインを使って生産が行われた。発売から9カ月後の63年6月、プリンス自動車初の6気筒エンジンを積んだ高級車がベールを脱いだ。1988ccのG7型直列6気筒SOHCエンジンを搭載したグロリアスーパー6(S41D‐1型)である。

 ボア、ストロークともに85.0mmのG7型直列6気筒は日本初のSOHC方式で、最高出力105ps/5200rpm、最大トルク16.0kg‐m/3600rpmを発生した。最高速度は155km/hだ。高性能であるだけでなく静粛性も群を抜いて高いから、カタログには「ささやくエンジン」のキャッチコピーを使っている。

 64年5月、スーパー6の廉価グレードともいえる「グロリア6」が加わった。このグロリア6で注目したいのは、ビジネスユースを名目にステーションワゴンを設定していたことだ。

次回、このステーションワゴンのディテールをチェックしていこう。

Vol.2、Vol.3に続く

セダンのグロリア6と比べると全長が40mm長く、全高は30mm高いフォルムや、ベンチシートのフロント、分割式のリアシートなど【写真7枚】

1965年式 プリンス グロリア6 ワゴン記事一覧(全3記事)

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1965年式 プリンス グロリア6ワゴン(V43A-2)主要諸元
●全長4690㎜
●全幅1695㎜
●全高1510㎜
●ホイールベース2680㎜
●トレッド前/後1380/1400㎜
●最低地上高210㎜
●荷室長3人乗車/6人乗車1850㎜/1020㎜
●室内幅1330㎜
●室内高890㎜
●車両重量1460㎏
●乗車定員6名
●登坂能力28.2%
●最小回転半径5.4m
●エンジン型式G7型
●エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
●総排気量1988㏄
●ボア×ストローク75.0×75.0㎜
●圧縮比8.3:1
●最高出力100ps/5200rpm
●最大トルク15.4㎏-m/3600rpm
●変速比1速2.963/2速1.632/3速1.000/後退3.358
●最終減速比4.875
●燃料タンク容量44ℓ
●ステアリング形式リサーキュレーティングボール式
●サスペンション前/後独立懸架ウイッシュボーンボールジョイント式/ド・ディオン式
●ブレーキ前後油圧複動内拡式4輪制動
●タイヤ前後とも6.00-13-6PRL.T.
●発売当時価格85万円

掲載:ノスタルジックヒーロー 2013年8月号 Vol.158(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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