30年間! 営業車として昭和53年から平成20年まで走り続けたΣバン|1978年式 三菱 ギャラン シグマ 2000 スーパーエステート Vol.2

アストロン80エンジンを搭載して、新設計のリアサスペンションやフロントディスクブレーキを採用した豪華な商用&レジャーカー。リアワイパーはGLとスーパーエステートだけに標準装備。

       
【1978年式 三菱 ギャラン シグマ 2000 スーパーエステート Vol.2】

ギャランΣのバンタイプは、2000スーパーエステート、1600GL、1600カスタムの3種類をラインナップしており、豪華な室内空間と荷室の広さが人気で、ビジネスシーンやレジャーライフで大いに活躍したクルマ。

 オーナーの伊藤正宏さんは、78年から08年まで仕事の営業車としてΣバンに乗り続けてきた。茶道、花道、着付けなどのお稽古教室や学校、病院などの職域に届ける西陣帯や西陣織の掛け軸、帯締め、帯揚げなどを荷室に満載して石川県全域から富山県まで大移動していた。当時は長距離を1日で移動することも珍しくなく、かなりの時間をΣバンとともに過ごしている。

  「とにかく乗り心地がいいクルマです。これまで大きな故障もないし、高速走行も安定しています。当時2Lのバンは少なく、荷物を満載にしていても排気量が大きいので走りに余裕がありました」と伊藤さん。

 それもそのはず、Σバンのエンジンはクランクシャフトの両側に、ずらして装着した独自のサイレントシャフトを採用して、静粛設計してあり、運転時の騒音を極力排除。さらに荷室にまで遮音、防音対策が施されているという念の入りようだ。また、このエンジンは、スポーツカーからクーペ、セダンまで、当時の三菱車に多く使われており、それだけ信頼性が高かったことが分かる。足まわりも乗り心地を考えてリアにコイルスプリングを採用。積み荷を満載にして荷重がかかっても、荷重を吸収して快適に運転できるように考えられていた。

Vol.3へ続く

すっきりとしたデザインで広い視界を確保。天井には豪華なオーバーヘッドコンソールを設置しているコクピットなど【写真6枚】

1978年式 三菱 ギャラン シグマ 2000 スーパーエステート記事一覧(全3記事)

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1978年式 三菱 ギャラン シグマ 2000 スーパーエステート主要諸元
●全長4370mm
●全幅1670mm
●全高1385mm
●ホイールベース2515mm
●トレッド前/後1350/1340mm
●最低地上高165mm
●室内幅1355mm
●室内高1100mm
●車両重量1135kg
●乗車定員2(5)名
●登坂能力tanθ0.42
●最小回転半径5.0m
●エンジン型式4G52型(80エンジン)
●エンジン種類・OHC・4気筒
●総排気量1995cc
●ボア×ストローク84.0×90.0mm
●圧縮比8.5 :1
●最高出力115ps/6000rpm
●最大トルク17.0kg-m/4000rpm
●変速比1速3.369/2速2.035/3速1.360/4速1.000/5速0.856/後退3.635
●最終減速比3.909
●燃料タンク容量53L
●ステアリング形式ボールナット(バリアブルレシオ)
●サスペンション前/ストラット式/後/4リンクコイル(アシストリンク付)
●ブレーキ前/ディスク/後/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも165R13-6PR
●発売当時価格115万円

掲載:ノスタルジックヒーロー 2013年8月号 Vol.158(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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