一度ナンバーを切り、そして再登録へ。時を経て再開した充実の旧車ライフ|1967年式 トヨタ 2000 GT Vol.3

ホイールは純正品を使用。タイヤはオリジナルのタイヤ外径に近い物ということで、BSスニーカーの185/65R15を装着。

【1967年式 トヨタ 2000 GT Vol.3】

トヨタ2000GTのルーフはダブルバブルの形状だ。この特徴は最新のトヨタ86にも受け継がれ、さらにフロントフェンダートップのふくらみやリアまわりの造形にも、デザインDNAが生かされている。トヨタデザインの継承と変革の心意気は、今後、より私たちが共感できる形を生み出してくれるはずだ。

 そんなトヨタ2000GTを18歳の時に1965年東京モーターショーで一目惚れしたというのが、今回の取材車両のオーナーである石川悦夫さんだ。
 1970年当時に1年ほど探し回ったが、なかなか気に入った個体が見つからなかったある日、雑誌広告で東京に1台あるのを発見。それが現在の愛車となったという。

「2000GTが欲しくて、仕事が休みの日には、自動車雑誌の広告に出ている2000GTを見に行くために、関東各地の中古車店を回りました」

 晴れて石川さんは2000GTのオーナーとなった。当時兄と共に行っていた事業から離れ、メカニックとして仕事をした経験を持つ石川さんは、すべてメンテナンスや修理を自分でこなしてきた。しかし1年車検となり、無理しながらも何とか走らせてきたが、維持費が負担となったことで、一度登録を抹消することにした。

「購入から23年間持ち続けてきましたが、維持費を家族用のクルマに使うことにして、ナンバーを切りました。でもいつか公道復帰させるつもりで、手放そうとは思いませんでしたね」

 月に1度はエンジンをかけたり、庭で動かしたりして、その間、車庫に入れて大切に保管。いつのまにか17年が経過した。そして2010年に再登録して、公道復帰を果たしたのだ。

 近年、旧車イベントに参加する機会も増え、近県各地で開催される時には2000GTと一緒に出向く。石川さんは充実の旧車ライフを楽しんでいる。

 トヨタ2000GTは、前期型と後期型とで走らせた時の乗り味は異なるという。両方を所有しているオーナーから聞いた話では、前期型は峠道が楽しいハンドリングカーで、後期型は高速道路を飛ばすと安定感抜群のグランドツーリングカーだという。所有できる当てがまったくない者としては、頭の中で想像を膨らますしかないが、実に楽しい話ではないか。夢のあるクルマは、永遠なりである。


オーナーがメカニックの経験があるため、安全装備については積極的にモディファイしている。ふだん使用しないヘッドライト(ポップアップ)はシールドビームのままにしてあり、下の補助灯にHIDユニットを組み込んで代用、本来の黄色バルブも残してあり、ポジションランプとしても機能。


本来のバックランプは内部に遮光板を入れて上下に分割。上には黄色バルブを組み込みウインカーに改造。下をバックランプとして、視認性を向上させている。


前期型のサイドビュー。トヨタデザインのDNAはここにあり。


トヨタ2000GTの特徴である左右フェンダーにあるハッチ。左側はエアクリーナーエレメントとウオッシャータンクが入るが、プラスチックのタンクが割れて破損したため、他車流用のビニールバッグに交換。


内装もオリジナルのまま。

1967年式 トヨタ 2000 GT(MF10)主要諸元
●全長4175mm
●全幅1600mm
●全高1160mm
●ホイールベース2330mm
●トレッド前後とも1300mm
●最低地上高155mm
●室内長720mm
●室内幅1430mm
●室内高950mm
●車両重量1120kg
●乗車定員2名
●最高速度220km/h
●登坂能力sinθ0.567
●最小回転半径5.0m
●エンジン型式3M型
●エンジン種類水冷直列6気筒DOHC
●総排気量1988cc
●ボア×ストローク75.0×75.0mm
●圧縮比8.4:1
●最高出力150ps/6600rpm
●最大トルク18.0kg-m/5000rpm
●燃料供給装置ソレックス40PHH×3
●変速比1速3.143/2速1.636/3速1.179/4速1.000/5速0.844/後退3.238
●最終減速比4.375
●燃料タンク容量60L
●ステアリング形式ラック&ピニオン
●サスペンション前後ともダブルウイッシュボーン・コイル
●ブレーキ前後ともディスク
●タイヤ前後とも165HR15
●発売当時価格238万円

掲載:ノスタルジックヒーロー 2013年6月号 Vol.157(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Ikkai Muranisi/村西一海

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