「やらなきゃいけないことは山積みで、お金も掛かる。まだ先は長いです」クルマ好きな24歳のトレノはテスト始動時にブロー|1972年式 トヨタスプリンタートレノ Vol.4

最終的にビンテージカーヨシノが作業を引き受けてくれて完成。プロによる作業は満足度が非常に高い仕上がり。

       
【1972年式 トヨタスプリンタートレノ Vol.4】

当初は自分でレストアをしていたものの、忙しくレストアを依頼する事になったオーナーの堀米さん。

 自分の目にはキレイに見えたボディもプロの目にはごまかしがきかず、パーツの欠損も多数あった。次々発見される問題点をクリアし本来の姿を取り戻しつつあったTE27トレノだったが最後に問題が発生する。

 持ち込んだクルマは製作者不明の1.75L仕様エンジンを搭載していたが、テスト始動時に壊れてしまったのだ。

 エンジンを開けてみたところ組み付けミスを発見。修理は可能だったがキチンと直すにはお金が必要。腹をくくってローンを組み直し、エンジンの修理も行うこととなった。

 エンジンを開けてみてわかったことだが、イジり過ぎている部分があり、補機類を含めた全体のバランスが取れていない。

 排気量アップされているだけでなく、ヘッド自体もポート加工や面研がされているのだが、その割にはノーマルカムだったり、キャブもφ40mmだったりと、いかにも教材として試験的に組まれたようなエンジンだった。

 純正部品が手に入るものはノーマルへ戻し、まずはキチンと自走できるレベルを目指してエンジンを補修。自分一人では何年かかるだろうと思えるレベルの作業を数カ月で終え、ようやく復活したTE27トレノ。まだ完成とは言えないが、走り出すことができるようになった。

「やらなきゃいけないことは山積みで、お金も掛かる。まだ先は長いです」と言いながらもTE27トレノを前に楽しそうな堀米さんだった。


前期と後期のフロントマスクではグリルとボンネット形状が異なる。グリル用エンブレムのみ入手できなかったので、とりあえずJAFエンブレムを装着。


RSワタナベも当時モノ。ヨシノ自販でブラスト処理したあと、トヨタ2000GTの純正ホイールカラーで塗装してある。


サスペンションは前後ともノーマル。さすがにショックは前後とも抜けているので、ここは早めに交換したいと思っている部分。


トレノエンブレムは装着されていたがトランクのトヨタのエンブレムはなかったので、デッドストックものを手に入れた。

1972年式 トヨタスプリンタートレノ 主要諸元
●全長3945mm
●全幅1595mm
●全高1335mm
●ホイールベース2335mm
●トレッド前/後1270/1295mm
●車重855kg
●乗車定員5名
●エンジン型式2T-G型
●排気量1588cc
●圧縮比9.8:1
●ボア×ストローク85×70mm
●燃料供給ミツバ電磁ポンプ
●気化器ソレックス40φ×2+スポーツエアクリーナー
●排気系ワンオフEXマニ+ワンオフマフラー
●出力115ps/6400rpm
●最大トルク14.5kg-m/5200rpm
●サスペンション型式前/後マクファーソンストラット・コイルスプリング/半楕円リーフリジッド
●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ/ホイール ケンダ185/60-13/RSワタナベ13インチ

ノスタルジックヒーロー 2013年2月号 Vol.156(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Masayuki Fukada/深田昌之

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